「すべてが転機」 制作会社、事業会社、起業と経験したnewn上谷さんのキャリア選びを振り返る

「すべてが転機」 制作会社、事業会社、起業と経験したnewn上谷さんのキャリア選びを振り返る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021/07/12 08:00

 デザイナーとしてのキャリアをどう歩むべきか――。デザイナーであれば、一度は考えたことのあるテーマなのではないだろうか。今回話を聞いたのは、デザイナーの上谷真之さん。制作会社からキャリアをスタートし、事業会社、起業、フリーランスと多様なバックグラウンドを持つ人物だ。現在は、小柄女性向けブランド「COHINA」、オンライン専門チーズケーキ店「Mr. CHEESECAKE」などD2Cブランドの企画・運営を行うnewnに所属し、プロダクトマネージャー兼デザイナーとして、コーポレートブランディングや新規事業の立ち上げに関わっている。そんな上谷さんのキャリアを振り返りながら、キャリア選びのポイントや考えかたを探っていきたい。

始発で出社しひたすらインプット デザイナーとしての成長を目指して

――まずはデザインに興味を持ったきっかけや、デザイナーになるまでの経緯について教えてください。

僕が高校生くらいのときに兄がパソコンを持っていて、デザインソフトを触らせてもらっていたのが始まりです。ちょうどHTMLでウェブサイトが作れることが話題になっていた時期だったので、頑張って勉強したというよりは興味の赴くままに触っていました。

内装設計などに携わるデザイン系の専門学校を卒業したあとは、アルバイトをしながらバンドをやっていたのですが、23歳ごろにこのままではまずいと焦りを感じ、ウェブデザイナーとして就職することに。当時の自分に何ができるかを考えたところ、Photoshopを使ってバンドのグッズやCDジャケット、ホームページなどを自作していたので、この技術を活かすしか道はないなと……。ウェブデザイナーといった職種が求人に載り始めたタイミングだったこともあり、正直消去法で始めた仕事でした。

もちろん未経験だったので、20~30社ほど選考は落ちたと思います。趣味で作っていた制作物を見せていましたが、今考えるととても仕事にできるレベルではなかったはず。そんな中でもなんとか1社の制作会社に拾っていただき、そこからデザイナーとしてのキャリアをスタートします。最初に携わったのは、デスクトップPCやガラケーのサイトデザイン。必要なことは、業務をこなしながら覚えました。

比較的新しい業界で若く活躍されている方が多かったこともあり、私はさらに何倍も努力をしなければならないと一念発起。毎日始発で向かい、始業までの3時間は会社で勉強。仕事後も家に帰ってからひたすら勉強していました。今考えると狂気的ですね(笑)。RSSリーダーを使って膨大な量の記事を毎朝読んでインプットしていたり、あらゆるジャンルの書籍を読みあさりました。

――その後、なぜ転職しようと思われたのですか?

とくに明確なきっかけがあったわけではありません。拾っていたただいた恩は感じつつも、次のステップにいきたいと考えていました。当時は大きなメーカーのプロモーション業務に携わってみたいという思いや広告賞への憧れもあったため、仕事をしながらポートフォリオを作り転職活動を開始。3~4年ほど経ったタイミングで、別の制作会社へ転職しました。

その会社はプロモーションサイトをクライアントから受注して制作していたのですが、前職時代から独学で学んできたFlashの技術を活かし、モーションを使ったウェブサイトを作ることが多かったですね。デザイナー兼Flashディベロッパーといった立ち位置で、ディレクション業務を行うこともありました。 次にジョインしたのが、学習管理プラットフォームを運営する「スタディプラス」というスタートアップです。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。