電通、インキュベーション施設のビジネスデザインから空間デザインを支援する「KU-KAN TSU-KAN」開始

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2024/09/06 11:00

 電通は、スタートアップ企業と大手企業の協業を促進するインキュベーション施設の開発において、未来・社会視点に立った施設のコンセプト形成から、それにもとづくビジネスデザインと空間デザインまでを支援する「KU-KAN TSU-KAN(クウカン ツウカン)」の提供を開始する。

 スタートアップ企業の成長支援に特化した社内組織で企業の経営や事業創出を支援してきた専門チームと、一級建築士事務所として登録されている同社でオフィス・イベントスペースなどの空間デザインに携わってきた専門チームが一体となり、従来は分業されていたソフト(ビジネスデザイン)とハード(空間デザイン)を、両面から一気通貫で支援していく。

「KU-KAN TSU-KAN」の特徴
「KU-KAN TSU-KAN」の特徴

 近年、企業や団体が社会の課題解決に向けて、自社の新規ビジネス創出のためにスタートアップ企業との協業を目的としたインキュベーション施設の開発を行うケースが増えている。施設を開発する際には、空間デザインはもちろん、ビジネス上の計画も重要だが、空間デザインは設計会社、ビジネス面はコンサルティング会社のように分業するのが一般的で、別々に検討するがゆえにズレが生じたり、途中段階での軌道修正が難しくなったりする課題があった。

 同社には、スタートアップ企業の成長伴走支援および大手企業のオープンイノベーションの支援を行う専門組織「スタートアップグロースパートナーズ」がある。スタートアップグロースパートナーズは、事業計画や収益向上策などのビジネス面の検討や、施設認知や利用を促進するためのPRサポートなど、事業者が抱える課題と向き合い、ビジネスを支援することができる。一方、空間デザインチームは、商業施設や公園、図書館、ホテル、車両などの空間を、企業・団体が持つ歴史・文化などを踏まえた上で、今の時代と、未来を見据えて設計する。

 「KU-KAN TSU-KAN」では、スタートアップグロースパートナーズと空間デザインチームが連携することで、精緻なビジネス計画から、独自性のある施設の空間デザイン設計までを一気通貫で支援する。ビジネスデザインと空間デザイン、両方の視点を互いにフィードバックしながらプロジェクトを進行できるため、ブランドに寄与する空間や、空間を活用したビジネスづくりへの貢献が可能。

先行取り組み事例 慶應義塾大学 CRIK信濃町

 今後も同社は、社内のさまざまなケイパビリティを掛け合わせて顧客企業の事業創造を支援し、その変革と成長に伴走していく。