カルビーは、カルビー初のブロックチェーン技術を活用した知的財産(IP)管理プラットフォーム「かるれっと」を開発した。このプラットフォームで、二次創作における外部クリエイターの与信管理やライセンス業務を簡素化し、IP事業の課題解決を目指す。実際に「かるれっと」を用いたIP事業の実証実験がスタートした。

背景
カルビーの新規事業を担う「Calbee Future Labo」は、2023年からさまざまなデザインや象徴的なキャラクターのIPを活用し、グッズや雑貨、ゲームアイテム、NFTなどを手掛けてきた。その結果、カルビーのライセンス商品は1年間で約80%増え、食べるシーン以外でも顧客にカルビー商品を楽しんでもらう機会が広がっている。
今回、さらにカルビーのIPを活用して顧客との接点を拡大することを目指し、ブロックチェーン技術を使ったIP管理プラットフォーム「かるれっと」を開発した。「かるれっと」は「カルビー」と「ウォレット」を組み合わせた造語。このプラットフォームでは、登録したクリエイターが制作したデザインをライセンス展開することができ、迅速かつ容易にカルビー及びライセンシーと契約を結ぶことが可能になる。
この第1弾として、「じゃがりこドリーム2nd 『じゃがりこ細いやつ』グッズデザインコンテスト」(24年10月実施)で入賞したクリエイター8名と、「かるれっと」を通して契約を結び、入賞作品デザインを使用した商品の企画を提案する実証実験を行う。
「かるれっと」では、今後、カルビー商品の食べ音を使った音楽レーベルの立ち上げやクリエイターコンテストなどを行っていく予定。
「かるれっと」とは
「かるれっと」は、分散型ID(DID・Decentralized Identifier)とブロックチェーン技術を基盤とし、二次創作における知的財産権の発行・所有・移転・利用履歴を検証可能なデジタル証明書(VC・Verifiable Credentials)として安全かつ改ざん不可能な形式で記録・共有できる実用的なIP管理プラットフォーム。JPKI(公的個人証明)を用いた認証情報をDIDと連携させることで、信頼性の高い権利証明と管理を可能にした。W3C準拠のスキーマ設計により他社システムやスマートコントラクトとの相互運用を実現し、事業部門・法務・知財などを横断する次世代インフラとして、企業間・国境を超えた知財活用をサポートする。
また、「かるれっと」の分散型IDおよび検証可能なデジタル証明書は、DataGateway Pte. Ltd.が提供する「Woollet」との連携によって実現されている。DataGateway社が有する自己主権型ID(SSI)技術や高レベルのプライバシー保護を達成するゼロ知識証明(ZKP)の活用により、IP事業における多様な課題に対して効果的な解決策を提供する。