note、AI学習へのデータ提供プログラムを始動 クリエイターの新たな収益機会を創出へ

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2025/06/20 10:00

 noteは、クリエイターが新たな収益機会を得られるよう、AI事業者へ学習用コンテンツを提供する取り組みをスタート。これによって、クリエイターのコンテンツがAI事業者の学習用データとして利用された際に、その対価として得られた収益をクリエイターへ還元することができるようになる。そのため、2025年8月1日よりnoteの利用規約を一部修正する。

 コンテンツをAI学習に提供するかどうか、対価を受け取るかどうかは、クリエイターのみなさんが選択できる。AI学習へのデータ提供を希望しない場合は、いつでも設定の変更が可能。なお、対象となるのは、noteに投稿されたすべてのテキストコンテンツ(無料・有料記事、メンバーシップ特典を含む)。テキスト以外の画像や音声、動画コンテンツは対象ではない。

 この仕組みは、2025年8月1日から適用される。クリエイターの準備期間として、自身のコンテンツを学習用途として提供するかどうか設定できる期間を設けている。利用規約の変更内容と設定方法は、メールマガジン、note公式記事、公式SNSに加えて、noteへログインされた人に、ポップアップなどを通じて広くアナウンスされる。

 現在note社は、複数のAI事業者に対して、コンテンツを提供して対価を得るための協議を進めている。そこで得られた収益をクリエイターに適切に分配する仕組みをつくり、クリエイターに新しい収益の機会をつくることを目指す。

なぜこの取り組みを行うのか

 生成AIは生活者の創作活動を大きく後押ししてくれる一方、学習データの許諾やクリエイターへの対価の仕組みは、まだ十分に整備されていない。また、インターネット上の作品がすでにAIに学習されている現状を完全に防ぐことは難しいという課題もある。

 noteはこうした状況を踏まえ、2025年2月から3回にわたってAI学習によってクリエイターに対価が還元される実証実験を実施し、改めてクリエイターに対価を還元する仕組みが重要であると考えた。

 実証実験には多くのクリエイターにが参加し、「自分の創作活動が正当に評価されていると感じた」「新しい収益の可能性に期待できる」といった前向きな声が寄せられた。

 noteはこうした意見を受けて、クリエイターが収益を得るための選択肢を提供できると判断し、新しい試みを始めることにした。この仕組みはまだまだ完成ではなく、今後も継続的な改善を進めていく予定。

 また、こうしたテクノロジーと創作、そして社会の課題が交錯するテーマについては、クリエイター、出版社や放送局、行政機関、そしてAI事業者など、広く関係する人たちと意見交換を重ねながら、よりよいエコシステムづくりに取り組んでいく。

対価還元について

 AI事業者から得た収益は、noteの運営手数料を差し引いたうえで、クリエイターに分配する。現在、具体的な分配ロジックを構築中で、確定次第あらためて案内する。また、提携するAI事業者は、技術の透明性・倫理観・法令遵守などの観点から信頼できるパートナーに限定する。

設定画面イメージ

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