ゲーム総合情報メディア「ファミ通」は、『ファミ通ゲーム白書2020』を7月9日に発刊する。同書は、国内をはじめ、北米・欧州・東アジアといった海外主要地域別のゲーム市場や、ユーザー・マーケティング調査など、豊富な最新データや大規模アンケート結果をもとに、国内外ゲーム・エンターテイメント業界の最新動向をさまざまな角度から分析したデータ年鑑となっている。
同書では、2019年の世界ゲームコンテンツ市場について、前年比約2割増の15兆6,898億円と推定。この市場規模は、家庭用およびPC向けパッケージゲーム市場の1兆3,519億円と、デジタル配信ゲーム市場(スマホやタブレット向けのモバイルゲーム、PC配信ゲームデジタル配信、家庭用ゲームデジタル配信)の14兆3,379億円を合算したもの。
世界の主流はデジタル配信となっており、とくに、中国におけるモバイルゲームの急成長など、アジアの好調ぶりが際立つ。日本の市場も1.5兆円を超えており、依然としてひとつの国としてはトップクラスの規模を誇っているとのこと。主な地域別では、東アジア(日本、中国、韓国)が6兆9,078億円、北米が4兆4,400億円、欧州が3兆1,553億円と推算し、主要3地域はいずれも前年比2桁増のプラス成長となった。
同書における主なトピックスは、次のとおり。
国内ゲーム市場は10年連続成長 前年比103.8%の1兆7,330億円に
2019年の国内家庭用ゲーム市場規模は、ハード・ソフト(オンライン含む)合計で、前年比100.6%の4368億円となった。
スマートフォンやタブレット向けのゲームアプリ市場が大半を占めるオンラインプラットフォーム市場は、前年比104.9%の1兆2,962億円に伸長し、国内ゲーム市場全体の7割を超える。国内ゲーム市場全体は10年連続で拡大を続け、過去最高の1兆7,330億円となった。
国内クラウドゲーム市場、4年後には10倍以上の成長見込み。
2019年の国内クラウドゲーム市場規模は、12.1億円と推計。「GeForce NOW」のスタートや、「PlayStation Now」のサービス改定、さらに今後見込まれる「Stadia」の国内サービス開始など、複数の強力なサービスの登場が起因し、2021年以降、大幅な成長が期待される。
2019年国内ゲーム人口は4,793万人 アプリゲームユーザーが前年比微増
同書では、同社が運営するエンターテイメント分野ユーザーリサーチシステム「eb-i」を用いて、ゲームユーザーの実態を調査している。そのひとつとして、国内のゲーム人口をメインゲーム環境別に推計したところ、2019年のゲーム人口は、前年より2.4%減の4,793万人に。家庭用ゲームユーザーとPCゲームユーザーは減少する一方、アプリゲームユーザーは微増したという。
コロナ禍の外出自粛などの影響からゲームで遊ぶ時間が増加
2020年3月に行ったエンターテイメント(娯楽)について、以前と比べた際の費やした時間の増減を調査したところ、約半数の人が、“家庭用ゲームをする時間が増えた”と回答。また、スマートフォンやタブレット向けのゲームについてもおよそ3割の人が増えたと答えている。コロナ禍でゲームの需要が増えたことが判明した。