凸版印刷は、2020年10月1日(木)~11月30日(月)の期間限定で、「b8ta Tokyo-Yurakucho」(有楽町電気ビル内1階)へI-PEXの開発した匂い測定デバイス「noseStick(ノーズスティック)」と、凸版印刷が企画・モデル開発を行う測定アプリケーションを出展する。
b8ta Tokyo-Yurakuchoでは、実際に同デバイスを使った匂い測定デモを体験することが可能。さまざまな人が同デバイスに触れ、体験してもらうことで、新たなビジネス用途での活用に向けた協業先を募ることを目的として出展する。
食料品の品質・鮮度管理、工場などでの危険臭気検知、呼気や体臭から疾患検知、ホテルや介護施設、自動車内の空間品質管理など、匂いをセンシングすることで解決できる課題は多数存在する。両社はこれを受け、匂いセンサとAIを組み合わせて顧客の課題を解決する「匂いセンシング事業」を、2019年より共同で推進している。
今回b8ta Tokyo-Yurakuchoに展示するnoseStickは、スマホに挿すだけで匂いの計測が可能なデバイス。I-PEXが匂いセンサの開発およびデバイスの提供を行い、凸版印刷がセンサの販売活動を行うとともに、顧客の匂い課題に対応したAIの開発を行っている。また今後は、データベース構築、AIを搭載したアプリケーション開発も進めていくとのこと。なお、同デバイスは現在開発段階で、b8ta Tokyo-Yurakuchoへは参考出展となる。
同デバイスに組み込まれた匂いセンサは、I-PEXが開発した複数の検知素子が検出する「匂い分子のパターン」を認識し識別する匂いセンサ。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電薄膜に異なる感応膜を塗布した検知素子10種類を1枚のセンサチップ上に搭載している。電圧をかけて共振している感応膜に匂い分子を付着させ、共振周波数の変化から数値データを取得、パターンを照合することにより匂いを識別する。PZTの圧電薄膜を用いたMEMSの活用により小型・低コスト化が見込めるとともに、検知素子の数を増やすことでより多くの匂いを識別することができるという。
凸版印刷は今回の出展を通じて、新たなビジネス用途での活用に向けた協業先を募ってPoC(Proof of Concept/概念実証)を進めていくとのこと。また、両社は今後も「匂いセンサエコシステム」の実現に向けて、これまで存在しなかった匂いを通じた総合的なサービスの提供を目指す考え。