グローバルアドテクノロジー企業のThe Trade Desk, Inc.は、日本国内在住の15~69歳の男女2,806名を対象にインターネット調査を行った。まず最初に動画配信サービスの利用状況についての調査を実施。さらにそのなかから過去1ヵ月動画配信サービス利用者に該当する2,137名を抽出して追加調査を実施した。
同調査により、昨年と比較して34%の人が地上デジタル放送よりも動画配信サービスの視聴が増加しており、昨年と比較して地上デジタル放送の視聴が増えたと回答した割合(23%)よりも上回ったことが判明した。
コロナ禍により、生活様式は大きく変化し、家で過ごす時間が増えている。それにともない、メディアの消費方法にも変化が起こっている。特にインターネットを介した動画配信サービスの利用は加速度的に増加。また「動画配信サービス視聴」はスマートフォンやPCでの視聴だけではなく、テレビをインターネットに接続した「コネクテッドTV」が普及しつつある。
同調査では、動画視聴サービスの利用状況や、定額制動画サービスについての印象、視聴態度などをアンケートで分析した。
調査結果概要
日本在住の15歳から69歳男女の77%が動画配信サービスを利用しており、動画配信サービス利用者の過半数は20~40代が占める。また、昨年と比較して、34%の人が動画配信サービスの視聴時間を増やしたと回答し、地上デジタル放送を増やした割合(23%)を10%以上も上回った。コロナ禍で増加した自宅時間の過ごし方として、テレビよりも動画配信サービス視聴を選択する傾向が高いことがうかがえる。特に若年層にその傾向が強く、10代の2割以上が、昨年より地上デジタル放送の視聴時間が減ったと回答しているものの、半数以上が動画視聴サービスの時間が増加していた。
今後6ヵ月後も継続して動画配信サービスを視聴したいと回答した人は97%
現在動画配信サービスを利用している人のうち、今後6か月後も継続して動画配信サービスを視聴したいと回答した人は97%。なかでも、無料動画配信サービスの継続意向は91%であるのに対して有料動画配信サービスの視聴は36%と、無料動画サービスが人々の生活に根付いていてきていることが明らかになった。
定額制動画配信の利用者は3割、月額サブスクリプション費用上限は500円未満
動画配信サービスは、定額制動画配信(SVOD)と広告付き無料動画配信(AVOD)に大別できる。定額制動画配信の利用者は全体の29%で、ほとんどは無料動画配信を利用。定額制動画配信利用者のうち46%がひとつのSVODサービスのみに加入している。また、SVODを利用する場合、62%の人が月額のサブスクリプション費用の上限を500円未満までと考えていることが明らかに。動画配信サービス利用者の広告に対する許容度については、動画配信サービス利用者全体の約70%が、「月額費を下げられるのであれば広告をみる」または「お気に入りのコンテンツが無料になるのであればCMがあってもいい」と回答しており、広告視聴と引き換えに無料で視聴できるサービスを高く評価していることがわかった。
動画配信サービスの視聴端末は6割がスマートフォン
現在61%の人がスマートフォンで動画配信サービスを視聴しており、それに次いでパソコンが55%、タブレットが19%となっている。スマートフォンで動画を視聴する人の過半数以上が10代から30代、パソコンで動画を視聴する6割が40代から60代を占めていることから、若年層はスマートフォンで動画のコンテンツを消費している傾向が強いことがうかがえる。また、現在日本ではコネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ端末) を通じた動画配信サービス視聴は18%ですが、ニューノーマル時代に入り、自宅で動画配信サービスを視聴する機会や時間が増えれば、今後は大画面でのコンテンツを視聴するコネクテッドTVが普及していくことが見込まれる。
調査概要
- 調査手法:インターネット調査
- 調査実施期間:2020年9月18日~9月23日
- 最初の調査対象者:日本在住の15-69歳の男女
- 追加調査対象者:過去1ヵ月に動画配信サービスを視聴した日本在住の15-69歳の男女
- 回答者数:最初の調査2,806名、追加調査2,137名
- 集計:日本の人口構成比に合わせてウェイトバック集計
- 実査機関:日本リサーチセンター