凸版印刷、ブルックマンテクノロジを子会社化 3Dイメージセンシング市場へ本格参入

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2021/03/17 05:00

 凸版印刷は、CMOSイメージセンサの開発・販売を行う静岡大学発のベンチャー企業であるブルックマンテクノロジの発行済み株式の89.1%を取得した。2021年3月中に子会社化の手続きを完了する予定だという。

 両社は2017年に資本業務提携を行い、3Dイメージセンシング領域の研究・開発を共同で進めてきた。今回の子会社化により、今まで以上に連携を強化し、今後市場拡大が予想される3Dイメージセンシング市場への本格参入を目指す。

 近年、スマートフォンやゲーム機の高機能化や、産業用の自律自走ロボットなどの普及にともない、周辺情報を三次元的に収集できる3Dセンサの市場拡大が期待されている。特にToF(Time of Flight)方式の3D距離画像センサは、近年の技術開発の進展にともない、小型かつ低消費電力という特徴から多くの機器デバイスで採用が進んでいる。

 凸版印刷は、ブルックマンテクノロジの持つ独自のToFセンサ設計技術である、高速撮像性/長距離測定性/外乱耐性を活用し、「外で使いにくい」「残像が発生する」などの、3Dセンサ普及の課題を克服した実用性の高いToFセンサを開発し、3Dイメージセンシング市場へ本格参入を目指す考え。

期待されるシナジー

高性能ToFセンサ開発の推進

 ブルックマンテクノロジの持つ各種イメージセンサ開発実績およびToFセンサ設計技術と、凸版印刷の半導体回路設計技術を組み合わせ、高性能で実用性の高いToFセンサの開発を行う。

3Dセンシング事業の推進

 ブルックマンテクノロジと共同で推進している自律自走ロボット、ゲーム/AR分野で活用される3Dイメージセンシング領域の研究を加速させ、早期の事業化を実現する。

ToFセンサを軸とした新規事業の創出

 凸版印刷の推進するDXにおいて、現実世界のデータ化を担う3Dイメージセンシング技術は非常に重要な技術である。同技術を駆使することで、センサ単体だけでなく、センサを用いた既存事業のDXや新たな新規事業の創出を目指す。