凸版印刷、DeNAとアバター生成管理基盤「AVATECT」の実証実験を開始

  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket
2022/11/09 14:00

 凸版印刷は、ディー・エヌ・エー(DeNA)と共同で、メタバース空間におけるアバターの真正性付与/証明に関する公開実証実験を実施する。具体的には、DeNAが開催するメタバースイベント「Mobage 3D Park」の参加者が、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT」を活用して、真正性情報をアバターに付与できるようにする。

 同実証を通じて凸版印刷は、コンテンツホルダーが抱えるメタバース活用の課題である、アバターの不正コピー防止をはじめとした著作権保護効果や、真正性付与アバターの挙動に関する技術検証などを実施する。

 メタバース市場への関心が急速に高まるなか、国際的な倫理規定や新たな技術に対するルール策定が進んでいないことに起因したリスクがメタバース普及の大きな課題になっており、匿名性の高いキャラクターアバターの不正利用や、バーチャル店舗における店員や窓口職員などの接客業務におけるなりすましなどの、新たなリスクが考えられる。このようななかで凸版印刷は、アバター本体の管理や本人認証に加え、アバターに電子透かしや、NFT(非代替性トークン、Non-fungible token)を付与する、アバター生成管理基盤「AVATECT」を2022年2月に開発。メタバースに参加する個人や企業に安全/安心な体験や経済活動の場を提供することを目指している。

 今回、DeNAが運営するSNS「Mobage(モバゲー)」で提供しているアバターをメタバース空間で利用できるイベント「Mobage 3D Park」をプレオープン。同イベントのなかで「AVATECT」の公開実証実験を行うことで、コンテンツホルダーのメタバースビジネスにおける課題抽出や、その課題に対する「AVATECT」の有用性を検証する。

実証実験の具体的な内容

 同実証では、ユーザーが、あらかじめダウンロードしたアバターを「AVATECT」 に登録し、電子透かしによる真正性情報を付与するなどしたあと、「Mobage 3D Park」に参加することで、アバターの流出/改ざんを抑止できたかなどの具体的な効果を検証する。

  • 実証実験期間:2022年11月7日(月)9:00〜2022年11月11日(金)18:00
  • 検証内容:一般ユーザーのUX検証/アバターの真正性付与技術の検証/アバターのデータプロテクション機能に対するニーズの把握/「AVATECT」の有用性の検証

実証実験の手順

  1. 「Mobage」のサイトよりアバターをダウンロードする
  2. ダウンロードされたアバターを、「AVATECT」へアップロード(ユーザーは「AVATECT」の利用可否を選択可)
  3. 「AVATECT」にて、真正性情報を付与
  4. 真正性情報を付与されたアバターをメタバース空間にアップロードし利用
  5. 真正性付与アバターを持っているユーザー同士は、確認コードを交換することで、アバターの真正性情報に関する内容確認が可能。

 今後、凸版印刷は、「AVATECT」での保護対象を、フォトリアルアバターだけでなくキャラクターアバターにも拡張させ、メタバース事業におけるIP保有企業とのさらなる連携を強化していく。そして、時間/空間/身体的な制約を超えて人々の活動が広がる、メタバースを起点にしたエコシステム形成および国際標準化を目指す。