パナソニックコネクト、デザインとマーケティング部門を統合し「デザイン&マーケティング本部」発足

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2023/03/31 11:00

 パナソニックコネクトは、2023年4月1日付で、製品やサービス・ソリューションのデザインを行うデザイン部門と、ブランディングやデマンドジェネレーションを担当するマーケティング部門をひとつに統合することを発表した。

 同社のデザイン部門では、「顧客起点」でのデザインに力を入れており、コア(ハードウェア)事業の基幹製品であるモバイルパソコン「レッツノート」や、顔認証ゲート、プロジェクターなどさまざまな製品デザインに企画段階から携わり、数多くのインクルーシブでユーザーフレンドリーな製品を提供している。近年、デザイン部門が担う役割は、製品デザインだけでなく、サービスデザイン、ビジネスデザイン、コミュニケーションデザインなどへ拡張している。

 またマーケティング部門では、市場ニーズを把握したうえで、一貫したメッセージで社会や顧客とコミュニケーションを行うことで企業ブランドの向上を図るとともに、イベントやデジタルキャンペーンなどを通じて顧客開拓に貢献している。また、昨今の社会意識の高まりを受け、企業の在り方やスタンスに注目が集まるなか、より生活者や消費者が主役となる「顧客起点」のマーケティングを重視している。

 企業として、本質的な「顧客起点」の活動を実践するためには、デザイン&マーケティング部門が、開発・製造・営業・サポート・企画・人事・IT・知財などさまざまな部門と緊密に連携することが重要となる。そして、企業全体に「顧客起点」の考え方を浸透させる必要がある。今回、ふたつの部門が統合することにより、企業活動のあらゆる顧客接点にデザイン&マーケティングが参加する体制を推進することで、「顧客起点」のビジネス戦略、製品・サービス開発、コミュニケーションの実践を可能にする体制が整う。

 これまでの同社のデザイン部門は、プロダクトデザイン、UIデザイン、サービスデザインなど、職能により担当領域を分けて業務を実施する組織だったために、部分最適になりがちで、総合的な提案になりづらいという課題が、マーケティング部門には、デザイン機能が必要な際に部門が異なるために連携がしにくいといった課題があった。今回の部門統合に際して、職能別ではなく、事業部ごとに必要な職能のデザイン担当がつく体制に変革することで、マーケティングとも連携しやすくなり、また、戦略視点でプロジェクトに携わることが可能になる。新体制でデザインとマーケティング機能を企業経営に最大限活かしていくことを目指す。

 同社では、2017年より、3階層(風土改革、ビジネス改革、立地改革)の企業改革を行ってきた。全階層で着実な改革が進んでおり、今回の部門統合も、企業改革の実践に資するもの。デザインとマーケティングが経営を支える体制が整うことで、市場のニーズを的確にとらえた顧客体験を生み出す力を強化できる。

 パナソニック コネクトでは、2023年4月から人事制度をジョブ型人材マネジメントへ移行し、報酬制度も改革。「仕事」に応じた報酬、「成果」に応じた報酬、「個」に応じた報酬、の3つの報酬ポリシーで成果を報酬に紐づけることが可能になるのにともない、よりプロフェッショナルにスキルを持つ人材がいきいきと活躍できるようになる。マーケティング、デザインのエキスパートが、より緊密かつ強力に協業できる体制に刷新することで、たゆまぬ(relentless)変革に取り組んでいく。

 顧客起点からビジネスをドライブする(人間中心で考える)という共通の目的をもって、デザインとマーケティングの力をあわせること(teamwork)で、関連部門を横断的に「つなぐ(connect)」機能を強化し、事業戦略構築のレイヤーから関与することで、真の顧客起点のビジネスをドライブさせることが可能になる。部門の統合により、双方の部門の人員合計200名で、顧客起点の企業トランスフォーメーションを推進する。

 「デザイン&マーケティング本部」担当役員で、CMO(Chief Marketing Officer)、DEI(Diversity,Equity,and Inclusion)担当役員も務める山口有希子氏は、次のように述べている。

「近年、各プロジェクトでデザイナーとマーケターが密接に協力しあうケースが増えてきました。これは、“顧客起点で考え、より良くする”という共通DNAがあるからです。デザイナーとマーケターが1つの組織になり、会社の様々な部門ともつながる(Connect)ことで、私たちが社員や会社や社会ためにできることがたくさんあると確信しています。コネクトのPURPOSE『現場から 社会を動かし 未来へつなぐ』を実践するために、デザイン&マーケティングも変革を続けます」

 パナソニック コネクトの代表取締役 執行役員 社長・CEO、樋口泰行氏は、「デザインやマーケティングは、BtoB業界にとっても大変重要な機能であり、その担うべき役割はより大きくなっていると感じています。今回の組織統合により、パナソニック コネクトが実践している企業改革に貢献することを大いに期待しています」とコメント。

 パナソニック コネクトは、「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」をパーパスにかかげ、現場にイノベーションをもたらすことで多様な人々が幸せに暮らせる、持続可能な社会の実現を目指していく。