Monotype、和欧混植フォント開発でフォントワークスと協力 これまで以上にパートナーシップを強化

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2023/04/17 08:00

 Monotypeは、フォントワークスとこれまで以上にパートナーシップを強化し、フォント開発事業を推進していくことを発表した。

 Monotype とフォントワークスは、2017年4⽉より事業提携を結び、年間定額制フォントサービス「Monotype LETS」を提供し欧⽂フォント市場を牽引している。両社の⾼品位なフォントをより多くのユーザーに利⽤してもらうため、今回、パートナーシップを強化しサービスを展開。両社のフラッグシップフォントを使⽤した和欧文混植フォントの提供や近年需要が⾼まるコーポレート/オリジナルフォント開発などを予定。

Monotype とフォントワークスのディレクターによるスペシャルチームが発足

 ニューヨークの Type Directors Club がタイポグラフィに顕著な貢献をした個人・団体を表彰する世界的な賞、TDC メダルを2022年10⽉に受賞した Monotype クリエイティブ・タイプディレクター ⼩林章氏、フォントワークス書体デザインディレクター 藤⽥重信氏、ヨアヒム・ミュラー゠ランセイ氏といったデザイナーが揃い、オリジナルフォント開発などのコンサルティングやグローバルに通⽤する⾼品位な書体の提案をより強化していく。

左から、フォントワークス株式会社 書体デザインディレクター 藤⽥重信氏、同 ヨアヒム・ミュラー゠ランセイ氏、Monotype クリエイティブ・タイプディレクター ⼩林章氏
左から、フォントワークス株式会社 書体デザインディレクター 藤⽥重信氏、同 ヨアヒム・ミュラー゠ランセイ氏、Monotype クリエイティブ・タイプディレクター ⼩林章氏

フォントワークス 書体デザインディレクター 藤⽥重信氏よりコメント

「今回の Monotype との連携強化により、書体を使うデザイナーの⽅々が明朝体やゴシック体と欧⽂の書体を組み合わせる際に最も難点であったサイズ・ウエイトを揃える悩みが解消出来る画期的な試みだと思っています。」

プロフィール

写真植字機の株式会社写研⽂字デザイン部⾨に⼊社後、1998年、フォントワークス株式会社に⼊社し筑紫書体ほか数多くの書体開発をする。「筑紫オールド明朝」「筑紫丸ゴシック」で2010東京TDC賞を受賞。「筑紫オールドゴシック-B」「筑紫アンティークゴシック-B」「筑紫アンティーク明朝-L」「筑紫Q明朝-L」「筑紫Aヴィンテージ明朝-R」「筑紫Bヴィンテージ明朝-R」で東京TDC賞2018タイプデザイン賞を受賞。

フォントワークス 書体デザインディレクター ヨアヒム・ミュラー゠ランセイ氏よりコメント

「⽂字は⼈々のコミュニケーションと⽂化の基盤としての役割を担っています。そして⽂字の⼒を⾼め、世界中に伝えるのが書体です。グローバルな環境に対応する書体が求められるなか、その最前線に Monotype と⽴てることがとても楽しみです。」

プロフィール

ドイツ出⾝。⽇本を含める各国のタイポグラフィコンペティションで優勝するなど⾼い評価を受ける。海外複数社の情報デザインと VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)を担当。2018年にはソウルのフォントメーカー YOON Design の欧⽂のデザインディレクターとして活躍。 2020年から、フォントワークス社に加わり、現職の欧⽂書体の書体ディレクターに就任。

Monotype クリエイティブ・タイプディレクター ⼩林章氏よりコメント

「まさに理想的な協業です。フォントワークスの⽇本語フォントと Monotype の欧⽂フォント、この2つを組み合わせることで、⽇本はもとより世界中に発信するメッセージがより洗練されたものになります。今後の展開をお楽しみに。」

プロフィール

欧⽂書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して2001年よりドイツ在住。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ⽒やアドリアン・フルティガー⽒との共同での書体開発のほか、⽇本語書体「たづがね⾓ゴシック」「Shorai Sans」のディレクションを担当した。欧⽶、アジアを中⼼に講演やワークショップを⾏うほか、世界的なコンテストの審査員も務める。2022年に Type Directors Club の TDC メダルを受賞。

今後の予定

 MonotypeのHelveticaなどの高品質な欧文書体と、フォントワークスの筑紫書体などの和文書体を合わせた混植フォントの開発およびサービス提供などを予定。さらに、将来的にアジアを中心とするグローバル進出企業に向けたサービスの拡充を両社で目指す。