ソニーピーシーエル(以下、ソニーPCL)は、2022年2月に開設したクリエイティブ拠点「清澄白河BASE」(東京都江東区)内のバーチャルプロダクションスタジオの機能をアップグレードすることを発表した。拡張工事を6月21日から開始し、7月26日にリニューアルオープンする。
同スタジオでは、開設以来バーチャルプロダクションを活用したCM、ドラマ、ミュージックビデオなど、50本を超える作品を手掛けてきた。
今回のスタジオ機能のアップグレードは、これらの制作実績と多くのクリエイターとの共創から得た多彩なニーズへの対応を目指したもの。これにより、さらなる映像表現の追求と制作パフォーマンスの向上を実現する。
同社は、先端テクノロジーを活用した新たなソリューションの開発・提供を加速。それにより、クリエイターの想いを形にするためのクリエイティブワークを今後も実現していく。
バーチャルプロダクションスタジオのアップグレード概要
- ソニーのCrystal LED Bシリーズを使用した国内最大級となるメインLEDウォールを拡張。既存の約2倍のサイズとなる解像度17,280×3,456ピクセル(横27.36m×高さ5.47m)で撮影エリアを広げ、より自由なカメラアングルでの撮影を実現。光表現の幅を広げる。
- 複数のLEDを活用した可搬式LEDを新規導入。また、ソニー独自開発のシステム“クイックキャリブ”導入により、天井LEDの効率的な昇降が可能に。自然な環境光や被写体への豊かな反射表現を実現する。
- 常設のXRシステムとして「SMODE」を導入。さらにオプションのトラッキングシステムとして、OptiTrack Prime×41、OptiTrack Prime×22を設置。これにより、ARキャラクターやプロップ、モーションコントロールなどを用いた演出やマルチカメラでの撮影も可能となる。
- ソニー製「Virtual Production Tool Set」や、ソニーPCL独自開発の「清澄白河BASE」制作シミュレーター(プロトタイプ)のトライアル運用を開始。カラー調整やモアレの回避アラートなどの機能で、プリプロダクションから撮影時までバーチャルプロダクションのワークフローを効率化する。