タイププロジェクは、ゴシック体のフォント「TPゴシック」を発表。タイププロジェクトのサブスクリプションサービス「TPコネクト」にて提供を開始した。
TPゴシックは、TP明朝の仮名に近い線質をもちながらもモダンに寄りすぎず、ハツラツとした明るい表情をもつ縦組みでも横組みでも安心して使える汎用性の高いゴシック体。簡素なアウトラインで筆画が表現されているため、さまざまな解像度で安定した表示結果を得ることができる。同社のフォントに通底する「デジタル環境に最適な書体ファミリー」というテーマを、ゴシック体のカテゴリーで実現している。
TPゴシックはニュートラルな印象の書体だが、起筆部のセリフやストロークの抑揚、ハライの抉り(えぐり)の効果で、ゴシック体に求められる力強さもそなえている。フトコロを絞り気味に設計した漢字は、端正で落ち着いた印象を与える。仮名は全体的に小ぶりな字面で、縦で組んだときの文字の流れを重視するとともに、横組みでの筆勢と安定した字並びを両立させるための検証をおこなった。書体開発の初期段階から高頻度ですり合わせを行った和文と欧文の相性の良さは、TPゴシックの持ち味を引き出す重要な要素になっている。
TPゴシックのウエイトファミリーは、UL(ウルトラライト)、EL(エクストラライト)、L(ライト)、R(レギュラー)、M(ミディアム)、B(ボールド)の6ウエイト。太いウエイトほどストロークの抑揚が大きく強い印象を与えるが、細いウエイトでもゴシック体特有の雰囲気を醸し出す。オーソドックスなゴシック体でありながら、新鮮な空気を演出するTPゴシックは、さまざまな場面で活用することができるデジタル世代の書体ファミリーとなっている。