アクセンチュア、顧客の変革のさらなる加速に向けてAIに30億ドル投資へ AI専門人材は8万人にまで倍増

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2023/06/21 06:30

 アクセンチュアはデータおよびAI(人工知能)関連事業に今後3年間で30億ドルを投資することを発表。幅広い業界の顧客に対してさらなる成長、効率化、レジリエンス(強じん性)向上を支援するため、アクセンチュアはAIを迅速かつ責任を持って進化させ、活用できる体制を強化する。

 アクセンチュアの会長兼最高経営責任者(CEO)であるジュリー・スウィート(Julie Sweet)氏は次のように述べている。

「あらゆる分野でAIへの関心がかつてなく高まっています。アクセンチュアがデータおよびAI関連事業に大規模な投資を行うことで、お客様のAIに対する態度変容を促し、さらなる価値創造にむけた明確なビジネスケースと責任あるAI運用指針に基づいた支援が可能になります。技術が成熟し、明確な価値を提供できるようになった今、AIを導入し、その活用の幅を広げて基盤を固める企業は、ビジネス変革を加速させ競争優位を築くことでしょう。アクセンチュアは、エコシステムソリューションへの深い知見を活用し、変化が激しく、複雑な環境に直面するお客様を迅速かつ効率よく導き、最適な意思決定への支援をします」

 今回の投資は、アクセンチュアのAI分野における10年以上にわたる知見と実績をさらに強化するもの。アクセンチュアは、世界中で1,450件以上のAI関連特許(出願中を含む)のほか、マーケティング、小売、セキュリティ、製造など幅広い領域で、数百におよぶAIクライアントソリューションを保有しています。アクセンチュアは、国内のAI PoweredサービスやmyWizard、SynOps、MyNavといった市場をけん引するAIプラットフォームを通じて、顧客に対してAIを組み込んだサービスを提供し、これまでにない効率、洞察、そして価値を提供している。

 アクセンチュアは6年前、責任あるAIのフレームワークを開発した。このフレームワークは現在、アクセンチュアの倫理規範の一部として、責任あるAIコンプライアンス・プログラムの基盤となっている。また、アクセンチュアは現在、多くの顧客と生成AI(ジェネレーティブAI)プロジェクトを推進しています。たとえば、ホテルグループにおける顧客からの問い合わせ管理や、司法手続き情報が統合された司法システムの構築などが含まれる。

 今回発表したAIへの投資には、以下のAIのイノベーションに不可欠な新たな戦略開発、オペレーションモデル、ビジネスケース、デジタル・コア・アーキテクチャの開発支援が含まれる。

・アクセンチュアは、同社の資産、業界特化ソリューション、スタートアップ企業、AI専門人材、企業買収、エコシステム・パートナーシップに投資し、診断AI、予測AI、生成AIなどの新たなスキルやサービスの深化、強化につなげる。

・データおよびAI関連事業では、新規採用、企業買収や、社員育成を通じて、AI専門人材を8万人にまで倍増させる。

・新しい「AIナビゲーター for エンタープライズ(AI Navigator for Enterprise)」は、生成AIベースのプラットフォーム。顧客が責任もってAIを活用して価値創出につなげるために、ビジネスケース、意思決定、指針の策定からアーキテクチャの選定、アルゴリズムとモデルの理解深耕にいたるまで一貫した支援を可能とする。このプラットフォームにはアクセンチュア独自の取り組みのほか、責任あるAIの実践とコンプライアンス・プログラムを加速するためのアセットが含まれる。

・アクセンチュアは、19の異なる業界向けに、データとAI活用促進のためのアクセラレータと、生成AI機能を活用した業界および機能モデルの構築を行う。

・アクセンチュアのアドバンストAIセンター(Center for Advanced AI)は、顧客およびアクセンチュアにおける生成AIの活用を推進し、生成AIの価値を最大化する役割を担う。アドバンストAIセンターへの投資には、生成AIやさまざまなAI機能を活用したサービスを再構築するための研究開発への投資も含まれる。

・アクセンチュアは、業界をけん引するクラウド、データ、AIの新規ならびに既存のエコシステム企業との関係にも投資し、顧客へのサービスの幅にも変革をもたらす。たとえば、開発者がプロトタイプを強化するためにあらかじめ構築されたモデルを活用したり、クリエイターが仮想環境を構築し、そこに現実世界の変化をダイナミックに反映させたりすることなどが挙げられる。

 アクセンチュアのテクノロジー担当グループ・チーフ・エグゼクティブであるポール・ドーアティ(Paul Daugherty)氏は次のように述べている。

「今後10年間で、AIはメガトレンドとなり、産業、企業、そして私たちの生活や働き方を変革していくことでしょう。生成AIによる影響は全労働時間の40%にも及びます。データおよびAI関連事業を強化することで、アクセンチュアが持つ強さと幅の広さを生かし、お客様がAIの可能性を最大限に活用できる体制を強化します、戦略、テクノロジー、働き方を再構築し、責任あるAI活用のもと、イノベーションと価値をかつてないスピードで推進できるよう、業界特化型ソリューションの創出に尽力します」