モリサワは、2023年10月18日(水)11時より、Morisawa FontsおよびMORISAWA PASSPORTアップグレード2023年10月版として、2023年新書体の提供を開始することを発表した。
今回のアップグレードでは、合計23ファミリー85書体が登場。また7月12日付で発表された内容に加えて、ファミリー化してリニューアルした「A1明朝(AP版)」や、「UD新ゴ コンデンス(AP版)」、「ヒラギノ丸ゴ」のW7をリリース。
A1明朝は、写真植字機用書体に由来を持つオールドスタイルの明朝体で、先端や交差部分に角の丸みが施された「墨だまり」の味わいが特徴。2005年のデジタルフォント化以来、多くの媒体で活用されている、同社を代表する書体のひとつだという。長らく単一ウエイトで提供してきたが、今回のAP版としてのリリースにあたり、従来の太さを「R」とし、新たに「M」と「B」を追加する。さらに欧文も、16世紀のフランスにルーツをもつローマン体に着想を得たクラシカルなデザインにリニューアルされた。
また、「UD新ゴ コンデンス(AP版)」はAP化に加え、欧文は「Clarimo UD PE Condensed」をベースに、和文と調和するよう調整し、より高品質な混植が可能となった。
そして今シーズンのリリースによって、2023年現在のモリサワライブラリーにおけるA-OTF書体はAP版書体化、A-OTFかな書体は全て総合書体化された。AP版書体は和文・欧文ペアカーニングと最新のIVSに対応しており、より美しい組版を実現する。
これらのほか、SCREENグラフィックソリューションズのヒラギノフォントのラインナップとして、基本書体である「ヒラギノ丸ゴ」にW7のウエイトを追加する。
2023年新書体は、Morisawa FontsおよびMORISAWA PASSPORT製品において、提供開始日時よりダウンロードが可能。
2023年新書体の特設ページを本日公開
同社は、2023年新書体の特設ページを公開。新書体の個性を表現したロゴデザインをあしらい、10月のリリースがさらに楽しみになる各書体情報を紹介している。
モリサワ公式noteでは、今回の「A1明朝(AP版)」のウエイト追加にあたり、A1明朝の魅力やデザインのルーツを深掘りする記事を公開。 今回の新ウエイト開発に携わったタイプデザイナーチームへのインタビューも掲載している。