ピクスタが運営する写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」は、素材購入者が抱える「競合他社との画像素材の重複利用を避けたい」課題を解決する新ライセンス「マーケットフリーズ」を新たに販売開始する。
新ライセンス「マーケットフリーズ」とは
概要
マーケットフリーズは、素材購入時から一定期間、素材利用を独占できる権利で、独占期間中は該当素材の販売が停止され、新たな購入・利用を防ぐことができる(マーケットフリーズ期間が終了すると、PIXTAでの販売が再開される)。PIXTAの利用規約に定めた使用の範囲内であれば、媒体などの使用制限なく何度でも利用可能なため、ロイヤリティーフリーの利便性を維持したまま、一定期間の独占利用が可能になることが特徴。
ストックフォトの特性上、過去にほかの利用者に購入された実績がある場合、過去の利用者に素材の利用を制限することはできないが、素材検索時に「購入された回数」で「0回の素材のみ」に絞り込めば、過去の利用実績がない素材を選ぶこともできる。
また、過去の購入実績は素材ごとに「過去の購入」の有無が表示されているため、他社との重複利用のリスクを踏まえたうえで、マーケットフリーズライセンスの取得を検討することができる。
マーケットフリーズ対象素材について
クリエイター会員がPIXTAでのみ販売する「PIXTA限定素材」のうち、クリエイター会員が、マーケットフリーズのオプション設定を許可した素材。
※PIXTAで販売している素材の中には、同じモデル・同じテーマの類似素材が販売されている場合がある。マーケットフリーズのオプションは、あくまで該当素材のみがフリーズ(販売停止)され、類似素材には効果が及びばない。
フリーズ期間と料金
フリーズ期間:30日、60日、90日、180日、360日の5種類から選択可能
料金:30日 22,000円(税込)〜
- ※料金は、マーケットフリーズ期間に応じて変動する。
- ※サイズごとの素材価格+マーケットフリーズ期間ごとの価格を支払うことで利用可能。
背景
インターネット、スマートフォン、SNS等の発展・普及にともない、ビジュアルコミュニケーションは欠かせないものになっている。その分、ビジュアルの消費速度も早く、ストックフォトの中でも、PIXTAのようにバリエーション豊富な大量の画像素材を保有し、一度購入すれば何度でもどの媒体にも使用できる安価なロイヤリティーフリーライセンスが主流になっている。
一方、ロイヤリティーフリーの画像素材は、独占利用することができない。そのため、常に他社とクリエイティブ(広告等に使用する素材)が重複するリスクがある。
人気の画像素材ほど購入回数も多く、PIXTAの2023年のダウンロード回数が多かった素材上位100点の年間平均ダウンロード回数は74.24回であった。
汎用性の高い画像素材は業界を超えてさまざまに利用され、医療・建築など業界に特化した専門性の高い画像素材であるほど、競合他社との重複リスクは高まりやすい傾向にある。
PIXTAでは、これまで「他社との重複リスク」を軽減するべく、過去に購入実績のない素材に絞って検索できる機能を付加してきたが、過去に購入されていない素材を提案できても、この先も購入されない保証まではできなかった。
この問題を解決するべく、新たに開発したのが「マーケットフリーズ」ライセンスである。これまで、他社とのクリエイティブの重複を絶対的に回避するためには、撮り下ろす(描き下ろす)か、一定期間独占的に利用できる代わりに、使用する媒体や条件ごとに使用権を購入するライツマネージドライセンスで提供される高価な素材を利用するしかなかった。
そこで、ロイヤリティーフリーの利便性を維持したまま、購入した画像素材を一定期間独占利用できる「マーケットフリーズライセンス」をオプションで追加できるようにすることで、重複利用を回避したい利用者の需要に応える。
クリエイターには新たな報酬獲得の可能性を提示
素材を販売するクリエイター会員にとって、マーケットフリーズによる一定期間の販売停止は販売機会の損失となるが、同ライセンスのオプション料金のうち、クリエイターランクに応じたコミッション率(報酬割合のこと、最大58%)を受け取ることができる。販売機会を一定失われるリスクと、マーケットフリーズによる高い報酬を得られるチャンスを鑑みて、クリエイター会員自身が、マーケットフリーズオプションの可否を選択することが可能。
ビジュアルニーズの拡大とともに、画像素材の一点単価は低下傾向にある。PIXTAでは、クリエイター会員の画像制作にかけられるコストやモチベーションの維持も、重要な課題と認識している。
利用者に選ばれる価格やサービスの設計と、クリエイターの創作意欲を支える報酬やサポート体制を模索する中で、マーケットフリーズは、利用者の利便性向上はもちろん、クリエイターにとっても、新たな報酬獲得の機会に繋がるとの考え。
今後の展開について
「マーケットフリーズ」は、市場の反応をみながら、フリーズ期間や価格帯などを随時検討していく。クリエイター会員にも適切な還元ができるよう、サービスのあり方を含め、さまざまな挑戦を行っていく。