NTT DXパートナー、全国の中小ものづくり企業の技術力を活用し商品化する「新商品プロデュース事業」開始

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2024/07/29 06:30

 NTT DXパートナーは、NTT東日本グループがこれまで通信分野で培ってきた技術・ノウハウに加え、さまざまな企業との連携により、地域の企業や自治体が持つ可能性や魅力を最大限まで引き出すための支援を「DX」という切り口で実施している。

 今回、新たな取り組みとして「地域の技術力を広く世界へ」をコンセプトに、全国の中小ものづくり企業(以下、メーカー)の技術力を活用し商品化する「新商品プロデュース事業」を2024年8月1日(木)に開始する。

 本事業により、メーカーが抱える「新しいチャレンジをしたいが、何から始めるべきかわからない」「市場のニーズがわからない」「開発はしてみたものの、あまり売れなかった」といった悩みを解決し、地域の技術力を広く世の中へ届けていく。

 「架空商品モール」とは、「AIがメーカーの技術力と生活者のニーズを組み合わせて独自の商品アイデア(架空商品)を提案する機能」と、「どの架空商品にどれだけの賛同が得られるかを可視化する機能」をもった新商品開発プラットフォーム。生活者の体験価値を創り、メーカーや商品へのエンゲージメントを高めることで、商品開発前から多くのファン候補を集めることが可能。

1.本取り組みの背景

 日本の各地域には、確かな技術力で素晴らしい商品を作り続けているメーカーが数多くある。しかし、少子高齢化による労働力不足やデジタル化に伴う販売経路の多角化、人々の価値観の多様化などの外部環境の変化により、今までと同じ商品、販売経路のみで事業継続することが難しくなっている。また、大企業の下請けとして、マーケティングや販売戦略に携わることなく、技術力を一心に磨いてきたメーカーも多く、「新たな商品開発・販売にチャレンジしたいが何から始めるべきかわからない」という声をもらう機会が増えている。

 NTT DXパートナーは、NTT東日本グループがこれまで通信分野で培ってきた技術・ノウハウに加え、さまざまな企業との連携により、地域の企業や自治体の持つ可能性や魅力を最大限まで引き出すための支援を「DX」という切り口から実施している。今回、上記の課題解決に向けた新たな取り組みとして、「新商品プロデュース事業」を2024年8月1日より開始する。

2.「新商品プロデュース事業」概要

 本事業は、以下ふたつの機能を中心に事業運営を実施する。

  1. メーカーにおける新商品の企画から販売までを一貫して伴走支援する「新商品コンサルティング」
  2. 生活者の体験価値を創り、メーカーや商品へのエンゲージメントを高めることで商品開発前から多くのファン候補を集める新商品開発プラットフォーム「架空商品モール」

1.新商品コンサルティング

 NTT DXパートナーはこれまで、メーカーの新商品デビューに向けて、企業の技術力を活用した新商品の企画からマーケティング、PRまで幅広く支援してきあ。

 今後は、さらに多くの新商品創出を後押しすべく、商品企画段階から拡大販売までのサポートに強みをもつ、マクアケの展開する製品プロデュース支援事業「Makuake Incubation Studio」(以下、MIS)と連携し、商品の企画・開発、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」でのプロジェクト実施(商品の発表)、さらにその後の拡大販売まで一貫した支援を行っていく。

2.架空商品モール

 架空商品モールでは、事前にメーカーの技術力を学習させたAI(アバター)が、生活者の「あったらいいな(あるある)」という声をヒアリングし、それらを掛け合わせた新たな架空商品を創造する。メーカーは、生活者のニーズが具現化した架空商品モールをもとに商品開発が可能になるため、需要予測が立てやすく事業化の成功率向上が見込める。有望アイデアの商品化・事業化についてはNTT DXパートナーが知見・ノウハウを生かして伴走支援する。2024年8月1日より希望するメーカーを対象にプレオープンし、「メーカーの技術力を読み込ませ、架空商品を生み出せる」機能を、自社の技術力で先行体験できる。

「架空商品モール」の主な機能

1.AIがメーカーの技術力と生活者のニーズを組み合わせて独自の商品アイデア(架空商品)を提案する機能

  • Step1:メーカーの技術力をAIに学習させる。
  • Step2:AI(アバター)が、チャットを通じて生活者の趣味や関心事を聞き、生活者が日常生活で感じる「あったらいいな(あるある)」を引き出す。
  • Step3:AI(アバター)がメーカーの技術力と生活者のニーズを組み合わせて架空商品のコンセプトを提示し、架空商品デザインを作成する。

2.架空商品にどれだけの賛同が得られるかを可視化する機能

生活者が架空商品を投稿・シェアすることができ、どのくらい「欲しい」が集まるのかをランキング形式などで可視化することが可能。メーカーは、ランキングや架空商品に集まる生活者からの反応をもとに商品化の検討が可能なため、需要予測が立てやすくなる。

3.商品開発前から多くのファン候補を集める機能

メーカーは架空商品のアイデアを購入することで、架空商品を実商品へと変えるための開発期間が短縮できるとともに、生活者にとって商品開発に関われる楽しい経験となり、メーカーや商品のファンづくりにつながる。

今後のスケジュール

 2024年12月の「架空商品モール」本格オープンに向け、架空商品ラインナップの充実を目的に、ワークショップ参画メーカーの募集および生活者からアイデアを募集するXコミュニティの立ち上げ、メーカー向け「架空商品モール」の先行公開を2024年8月1日より開始する。

全国でメーカーと生活者による架空商品ワークショップを開催

 メーカーと生活者を交え、架空商品モールの一部機能を活用し、架空商品を生み出すワークショップをMISと連携し随時開催。ワークショップでは、NTT DXパートナーとMISのファシリテーションのもと、メーカーの持つ技術をベースに、生活者が日常で感じる「あったらいいな(あるある)」から架空商品を生み出していく。

 メーカーは、ワークショップを通じて自社にパーソナライズされた架空商品アイデアを生活者から募ることが可能。また、ワークショップと連動するXコミュニティも立ち上げ、生活者からの各商品アイデアに対する反応を検証する。

メーカー向けに「架空商品モール」を先行公開

 「架空商品モール」の「メーカーの技術力を読み込ませ、架空商品を生み出せる」機能を、自社の技術力で先行体験していただけます。「社員に商品企画の体験をさせたい」「商品アイデアを社内で生み出したい」というメーカーの要望に応えるツールとして活用できる。

今後の展望

 本事業を通じて地域の中小メーカーの事業活性化、ひいては地域経済全体の振興に地域の人々とともに取り組み、日本各地で新たな価値を生みし続けることに挑戦していく。将来的には、日本の高度なものづくり技術による商品を、世界中の生活者に届けていきたいとの考え。