メンバーズは、みずほ銀行がDX活動の一環として推進しているプロジェクトのひとつで、顧客体験価値向上を目指し実施したウェブサイトリニューアルをパートナーとして伴走支援した。本プロジェクトでは、全体統括の支援や多数あるコンテンツチームへのPM・PMO支援などを通じて、関係者約200名のプロジェクトの円滑な推進を実現し、UI/UXの大幅改善とそれにともなうアクセスやコンバージョン数の向上を実現したことを発表。
本プロジェクトの背景
ニーズの多様化により金融商品は複雑化し、数も増加し続けている。このため金融商品に関するウェブサイトも複雑化し、刷新や改修には高度な判断や多くの意思決定が求められ難易度が高まる傾向にある。またウェブサイトにおいては、多数の金融商品に関する情報を公開・掲載しておく役割を果たすと同時に、サイトを通じた最新情報の提供や企業としての先進性や信頼感の構築も求められている。
くわえてみずほ銀行のウェブサイトは、複雑な構造や金融業界特有の商品の多さによるコンテンツ肥大化により、ユーザーが求める情報にたどり着けないという課題を抱えていた。ウェブサイトの開発や運用について、継続的に更新・改善をおこなっていくアジャイル的発想へ転換をはかり組織カルチャーの変革を促進するとともに、顧客体験価値の向上を目指して、リニューアルプロジェクトが開始された。
メンバーズは、2006年よりみずほ銀行のウェブサイト運用を伴走支援している。サイト構造やタグ設定などの理解が深く、みずほ銀行を含めた大手企業の制作・UI/UX改善や成果向上の実績・知見が豊富なことから、今回、プロジェクト推進パートナーとして声がかかり、支援することとなった。
ウェブサイトの課題
- みずほフィナンシャルグループとみずほ銀行で、サイトの役割がやや曖昧になっており一部コンテンツの重複などが生じていた。
- サイトデザインが古く、業界特有の商品の多さなどによりサイト構造が複雑化しており、ユーザーが見たいページになかなかたどり着けなかった。
- 各コンテンツが肥大化し、コンテンツ内の情報が過多になっていた。
取り組み
- 「探させないサイト」をコンセプトとしたウェブサイトリニューアルを推進。
- ウェブサイトの階層を「もの軸(商品)」で再整理しシンプル化。ユーザーが欲しい情報にたどり着きやすい構造へ変更。
- 感性調査などの結果を踏まえ、先進性と信頼性のいずれも感じさせるデザインを採用。
- 大きなカテゴリー単位でコンテンツオーナーを明確化。メンバーズ担当者が各コンテンツオーナーに伴走しプロジェクトを円滑に推進。
- 開発進捗と品質管理およびガバナンスを横断的に実施するため、メンバーズにて開発統括PM(プロジェクトマネージャー)やIT部門連携PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)、ディレクターなどで構成された全体設計チームを配置。
成果
- 数億ページビューあるウェブサイトであるが、利用ユーザーから使いやすさや申し込み手順などについてのネガティブな問い合わせや声がなく、「探させないサイト」を実現。
- トップページから各商品ページへの遷移数は平均約1.5倍となった(2024年4月度実績)。
- 役割を明確にし、みずほ銀行の状況に応じたチーム編成のもとで、プロジェクト管理、関係者間コーディネート、開発を推進。結果として、大規模人数が関わるプロジェクトを1年4ヵ月で円滑に完了。