TOPPANとAVITA、「AIファッションモデルプロモーション&接客 DXソリューション」の提供を開始

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2025/01/30 15:00

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANと、アバターや生成AI技術を活用したサービスの開発を行う、AVITAは、2021年7月に資本業務提携契約を締結し、デジタルツイン推進に向けた製品/サービスの共同開発を進めている。

 今回、モデル(撮影した人物)の身体に生成AIで作成した顔を自然な形で合成することにより、手軽にさまざまなパターンでモデルのアバターを作成し、販促用の静止画や動画に活用するほか顧客対応も行える「AIファッションモデルプロモーション&接客 DXソリューション」(以下 本サービス)を共同開発し、TOPPANが販売開始する。

 本サービスの提供により、ブランドイメージに合わせた顔・髪型のアバターモデルが手軽に作成でき、また静止画は最短翌日、動画は最短3営業日で納品が可能。AVITAの提供するアバター接客サービス「AVACOM」を活用することで、ライブ配信や、店頭またはECサイトにて顧客が商品を購入する際にアバターと会話をしながら商品を選んだり、問合せに対応したりするなどの、接客対応が可能になる。

 なお本サービスは、ファッション・アパレル小売を展開するあかのれんに2024年10月より先行して採用されている。

開発の背景

 ファッション業界でのプロモーションにおいては、ブランドイメージに合わせてモデルを選定し、雑誌やECサイト、サイネージ用に毎回コーディネートやスタジオを変えて撮影する必要があり、時間や手間がかかることからバーチャルなモデルを起用する動きが進んでいる。生成AIを活用しアバターモデルを作成する動きも始まっているが、企画・仕入れから店舗展開までのサイクルが短いファッション量販店などの小売業界では、トレンドに対応するためにチラシ・店頭ツール・動画・SNSなどの販促コンテンツを短納期で作成する必要があり、人物や着衣までをフルCGで作成するには製作時間や費用の点で課題があった。

 そこでTOPPANとAVITAは、身体は実物、顔は生成AIのアバターモデルを短納期で作成し、ひとりの身体で複数のアバターモデルの作成を可能にするだけでなく、顧客が商品を購入する際の接客機能も兼ね揃えた、「AIファッションモデルプロモーション&接客 DXソリューション」を提供開始する。

AIファッションモデルの特徴

ひとりのモデルから多様なアバターを生成

ひとりの人物がさまざまな商品を着用した複数の全身コーディネートをグリーンバックで撮影し、ブランドイメージに合わせて生成AIで作成した顔・髪型や背景を合成する。複数の商品を着用したひとりの身体モデルを撮影するだけで複数のアバターモデルを作成でき、年代別のブランドイメージに合わせた様々なコンテンツを容易に作成することが可能。

最短翌日に納品可能

TOPPANとAVITAが開発した独自のコンテンツ制作フローにより、静止画は最短翌日、動画は最短3営業日で納品が可能。ファッション・小売業界における企画・仕入れから店舗展開までに必要とされるチラシや店頭ツール、動画など各種販促コンテンツの短い作業サイクルに対応する。

二次利用が自由

開発したAIファッションモデルは、広告やカタログ、SNS投稿コンテンツ、ライブ配信など、一連のブランディングやプロモーションを目的とした静止画や動画などにおいて自由に活用することが可能。公開範囲に縛りがないため、利用に関する手続きの煩雑さや契約に関するトラブルを防ぐ。

AIによる接客DXの実現

AVITAの提供するアバター接客サービス「AVACOM」を活用し、店頭に設置したモニターなどやECサイトにおける、顧客とのコミュニケーションや問い合わせにも対応が可能。従業員がAIファッションモデルを遠隔で操作し、顧客とリアルタイムで会話をしたり、顧客とのやり取りに合わせて服を着て見せたりすることで、1人ひとりに合ったおすすめ商品の紹介などが可能。これにより店舗やウェブ、EC、SNSにおける顧客とのコミュニケーションの増加や、顧客の購入体験の向上を実現する。

2社の役割

  • TOPPAN:顧客体験設計のノウハウを活かし、企画設計・撮影・編集・コンテンツ制作まで全体の運営を担当。
  • AVITA:アバターや生成AI技術・ノウハウやアバター接客サービス「AVACOM」を活用し、AIファッションモデルの合成編集の提供を行う。

今後の目標

 TOPPANとAVITAは、ファッション・アパレル業界やECサイト運営会社などを中心に本サービスの提供を行い、流通、メーカー、金融、自治体などにも順次拡大していく。2025年末までに20社の導入を目指す。