大日本印刷（以下、DNP）は、日本の多様な生活者の「本音」をチャット上で再現するDNP生成AIマーケティングサービス （ペルソナインサイト）を開発し、2025年6月30日に提供を開始する。
本サービスでは、総務省の統計データにもとづき、日本人の年齢・性別・職業・健康状態・価値観の分布を反映した100人の仮想生活者像（ペルソナ）を構築した。DNPの独自技術により、従来の調査では捉えにくかった生活者の欲求や感情などの深層心理の把握を支援する。
企業は本サービスを利用することで、コストと時間を要することが多いモニター調査を行うことなく、いつでもペルソナとのチャットによる対話で調査が可能。これによりマーケティング施策の精度向上や、多様なニーズにあった商品・サービスの開発が期待できる。
「ペルソナインサイト」の特徴
1.統計データやDNP独自のデータを基にしたAIペルソナを活用
「国勢調査」「社会生活基本調査」「家計調査」「労働力調査」など、日本の主要な統計データを生成AIに学習させ、現代日本の縮図とも言える100人のペルソナを構築した。また、DNPが運営しているリアルとネットの連携書店サービス「ハイブリッド型総合書店honto」における性別・年代ごとの書籍購買情報にもとづく興味・関心・トレンド情報を組み込み、最新の世相を反映している。これらの学習データを毎年更新することで、常に最新の生活者像にもとづいた調査を可能とする。
2.企業が保有する調査データを元にカスタマイズしたペルソナも構築
企業が保有する過去の定量・定性の調査データを生成AIが学習することで、特定の顧客層を再現した“カスタムペルソナ”が作成できる。より細かいターゲットのセグメンテーション（区分）が可能となり、ターゲットに合わせたきめ細かいマーケティング施策を展開することが可能。
3.コンセプト立案からデザイン評価まで、多様な活用シーン
本サービスは、コンセプト立案からデザイン評価まで、幅広いマーケティング活動で活用できる。生活者視点でのアイデア創出のヒントや、カスタマージャーニーの作成、広告・パッケージ・UI（User Interface）などのデザイン評価をペルソナとの対話を通じて効率的に行える。これにより、製品開発やブランド戦略の精度向上に貢献する。
4.利用のしやすさとセキュリティを兼ね備えたサービス
本サービスは、利用者の入力した情報が外部の生成AIの学習に利用されないセキュアなモデルを採用している。また、導入企業ごとにデータを分離する高セキュリティな環境で運用している。これにより、本サービスを利用するほかの企業に自社の情報が洩れることなく、安心して活用できる。
今後の展開
DNPは、飲料・食品・日用品メーカーなどのマーケティング部門や商品開発部門を中心に本サービスを提供していき、2025年度までに15社の採用を目指す。今後は、AIエージェント機能や一括アンケート機能など、商品開発やマーケティングの業務をさらに進化させる追加機能も検討していく。
