電通、テレビCMの貢献度をクリエイティブ表現別に評価できる「Response Lift Checker」を開発

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2025/06/23 07:00

 電通は、テレビCMがどれほど商品やサービスの指名検索やアプリダウンロード数などの生活者の行動変化(レスポンス)に寄与したかを、CMのクリエイティブ表現別、要素別に分析・評価できるツール「Response Lift Checker(レスポンスリフトチェッカー)」を開発し、本ツールを活用した分析パッケージの提供を開始。テレビCMの出稿前に、生活者の行動変化のリフト(行動の増加率や変化の程度)を予想したり、他社CMとの比較を行ったりすることで、生活者の行動変化に寄与する最適なテレビCM制作が可能になる。

 広告業界では、広告主の商品・サービスの売り上げに直結するテレビCMの効果を定量的に評価することが求められている。近年、広告をみた生活者による指名検索数やアプリダウンロード数を、ブランド力の強さやマーケティング投資対効果(mROI)の指標としてKPI設定する企業が増加傾向にある。しかし、テレビCMについては、クリエイティブ表現のどの要素が効果的であったかという詳細な分析が難しく、効果を高めるクリエイティブの要素について判断することが困難な状況にあった。

 今回開発した「Response Lift Checker」は、こうした課題へのひとつの解決策となる。過去のテレビCMのクリエイティブ表現を、「有名タレントの出演」や「季節感の訴求」など、各業界に特有な約100項目の表現要素に分解し、外部データと連携することで、指名検索数やアプリダウンロード数といった行動指標とのひもづけを可能にした。これにより、テレビCM出稿後に、広告素材がどのように生活者の行動変化を促すか、また、どのクリエイティブ要素がその行動変化に貢献するかを統計的に算出できるようにした。

 本ツールは、業界内における広告素材ごとの行動変化の比較、クリエイティブの各表現要素の貢献度の把握、表現要素の組み合わせによる行動変化の予測を可能にした。これにより、より高い効果が期待されるテレビCMクリエイティブへの示唆が得られるほか、さまざまな業界において特有のクリエイティブ表現要素について評価できる。

 同社は、国内電通グループ独自のAI 戦略である「AI For Growth 2.0」にもとづき開発中のAI エージェントに本ツールを搭載するべく準備を進めており、今後も広告効果の精緻な分析を通じて、顧客のマーケティング活動の最適化と事業成長に貢献していく。