Pinterestが日本で広告事業を開始 Shopifyとのパートナーシップ拡大やショッピング機能の拡張も

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2022/06/01 10:00

 Pinterestは、日本における広告事業を2022年6月1日(水)より開始。これにより、さまざまな事業規模の広告主は、全世界で4億人を超えるオーディエンスに向けて自社の商品やサービスに紐づいたアイディアを紹介することができる。さらに、複数の広告フォーマットやターゲティングオプションにより、新たなオーディエンスにリーチすることが可能。

 アメリカでは2015年から、ヨーロッパやラテンアメリカでは2019年より順次広告事業を開始しており、すでに30ヵ国で展開。日本は31ヵ国めとなる。

 日本で広告事業を開始するに至った背景について、メディア向けオンライン発表会に登場したPinterest 日本担当カントリーマネージャー・成田敬氏は「日本での広告ビジネスローンチにも強い要望がありました。お客さまからのニーズとユーザー拡大の両方が相まって、今が開始のタイミングにふさわしいと考えています」とコメントした。

 多くの Pinterestユーザーは、見つけたアイディアをもとに実際に行動する傾向があり、ファッション、インテリア、次の旅行先など、未来に向けたアイディアを実現するために、Pinterestへアクセスし積極的に商品やサービスを探している。次のアイディアを探しているユーザーに対し、企業が有益な情報やコンテンツを届けることで、ユーザーと企業の双方にとって利益となるポジティブな関係を築くことができる。

 日本における月間利用者数は870万人(2020年12月ニールセン調査)にのぼり、直近ユーザー数は急激に拡大。昨年より検索率は32%増加している。

 またPinterestの特徴やポジショニングについて、成田氏は次のように述べた。

「Pinterestはこれから行ってみたいことなど、未来に向けたプラットフォーム。決まった答えや事実を探すよりも、次にやってみたいことのアイディアやチャレンジしたいことが何かを探す場所です。また独自の機械学習などでユーザーの好みを学んでパーソナライズしているため、探していたアイディアだけでなく、気づいていなかった新しいアイディアを見つけられることも強み。他人からの評価にしばられず、主観的な視点でこれからしたいことを探すことができます」

Pinterest 日本担当カントリーマネージャー 成田敬氏
Pinterest 日本担当カントリーマネージャー 成田敬氏

 このような背景から、Pinterest では広告コンテンツもオーガニックコンテンツと同様に、ユーザーに好意的に受け入れられている。

 Pinterest が企業にとって効果的なプラットフォームである理由は、何かを購入しようとしている一方で、購入先のブランドをまだ決めていないユーザーにアプローチできる点にある。実際に、Pinterestの上位検索の97% がブランド指定のない2~3語のキーワード(「スニーカー 白 メンズ」など)となっており、ユーザーの大部分は検索の際に特定のブランドの名前を入力していない。つまりPinterest は、購入の意思がある一方で購入先までは決めていない潜在顧客と、ブランドがより効率的に出会うことができるプラットフォームのひとつと言える。

 今回、広告事業の本格的な開始に先駆け、初期のパートナー企業として一部の国内企業が広告の利用を開始。BAYCREW'S、Cowcamo(五十音順)などのブランドは、すでにPinterest アドを利用して成果をあげている。

 これについてベイクルーズでDXを推進する若松氏は「クリック単価も安価ですし、新規顧客流入率も高いです。またグローバルでブランドセーフティーな取り組みを行っているため、安心して活用することができています」と述べた。

プロダクトピンでPinterestでの商品購入がさらに手軽に

 またPinterestは、2022年6月1日(水)より、Pinterest へ商品情報をアップロードした際に、自動的にプロダクトピンが作成される機能、「Pinterest カタログ」を日本で導入する。メタデータをもとに作成されたプロダクトピンは、 ユーザーに購入可能な商品であることがひとめでわかるフォーマットのピンで、ブランドのウェブサイトに掲載されている最新の価格と在庫状況、商品名と説明文が記載されている。このプロダクトピンは、関連性の高いユーザーに表示されるだけでなく、広告クリエイティブとして配信することも可能。

 企業は商品情報が記載されたプロダクトピンを自社ウェブサイトの商品ページに直接リンクすることで、ユーザーは数クリックで商品を購入することができる。プロダクトピンは、検索結果だけでなく、ホームフィード、似ているピンなどのオススメ表示、Pinterestの画像検索タブなどPinterest内のさまざまな箇所に表示され、多くのユーザーが目にする。

 Pinterestは過去数年間にわたり、日本のあらゆる規模の企業や積極的なユーザーを新たなインスピレーションの提供や商品の検索体験を通してサポートしてきた。たとえば、家具・インテリア通販サイトのFLYMEeはオーガニックのキャンペーンとショップの要素を含むビジネスプロフィールを活用して、オーディエンスのリーチを広げてきた。今後は、自社取扱い商品を活用したインテリアコーディネートのアイディアなどを紹介するターゲティング広告を配信することで、さらに多くのユーザーにリーチし、インスピレーションを与え、ユーザーの購買プロセスにアプローチできるようになる。

Shopifyとのパートナーシップの拡大

 さらにPinterestは、Shopify とのパートナーシップを日本へ拡大。日本のShopifyを利用している小売業者は、簡単な手順でPinterestへの商品情報のアップロードが可能で、同時にプロダクトピンを作成することができる。

 ShopifyのPinterestアプリを活用することで、コードの編集や自社サイトへのリソース導入などを行う必要なく、タグの配置、カタログの読み込み、広告購入インターフェースなどの Pinterestのショッピング機能にスムーズにアクセスできる。

 Shopifyでショップを持つ企業は、オーガニック配信と広告配信を通じた Pinterest 上へのプロダクトピンの配信、およびリーチの最大化に向けたインサイト分析を、簡単な設定で行うことができる。今回の連携により、企業はPinterestで手軽にショップを立ち上げ、世界のオーディエンスに自社の商品を紹介できるようになる。