「Snapパートナーサミット 2023」開催 クリエイターのマネタイズプログラムやコマース向け製品なども発表

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2023/04/21 17:15

 Snap社は、「Snapパートナーサミット 2023」を開催し、プラットフォームに関する新機能を発表した。

友だちや家族とコミュニケーションするための新しい機能

「コーリングレンズ」の登場

毎月、1億人以上のSnapchatユーザーたちが音声通話やビデオ通話を通じて連絡を取り合っている。新機能の「コーリングレンズ」を使うと、友だちと通話する際、距離を縮めることができる。遠くにいる友だちとひとつのフレームに一緒に写り、バーチャル上で対面しながらゲームやパズルで遊ぶこともできる。

ストーリー

2013年以来、Snapchatユーザーは「ストーリー」を通じて自分の生活を友だちと共有していたが、自分の近況を伝える新しい方法がさらにふたつ登場。ひとつめは、「アフターダーク」と呼ばれる新しいタイプのストーリー。遅くまで勉強したり、遊んだりするときは「アフターダーク」のストーリーに追加することで、翌朝にそのストーリーが展開され、夜の出来ごとを報告できる。ふたつめは、クラスメートと自分の視点を共有できる機能「コミュニティ」。この機能は、今月中にさらに多くの学校で展開される予定。

スナップやチャットはデフォルトで消されるように設計されているが、Snapchatメモリーのフラッシュバックは、毎日10億回以上閲覧されている。今回、同社はこの振り返り(スロウバック)を友だちとの会話の中に取り込み、保存したお気に入りのスナップで構成される瞬間を追体験できるようにした。

Snap Map

Snap Mapに新しい位置情報共有オプションが追加され、外出先でも簡単にお互いのいる場所がわかるようになった。さらに、3D画面に浮かび上がる新しいランドマークや、昨晩友達やSnapchatのコミュニティで話題になった場所に新たにタグをつけることも可能になった。

Snap Mapのリリース以降、17億人のSnapchatユーザーたちが「Bitmoji」で自分自身を表現している。今年は、「ショッパブルファッション(買い物できるファッション)」機能を追加したことから、ユーザーのBitmojiを着せかえることができる。まもなく、さらに多くのスタイルから選択できるようになり、より表現力豊かでよりパーソナルなアバタースタイルにアップデートされ、新しい次元の表現が可能になる。

現在、300万人以上のSnapchatユーザーが、「Snapchat+」の限定機能を通じてSnapchatをカスタマイズしている。そしてまもなく、アップグレードを希望するVerizonユーザーは、「+play」プラットフォームからサブスクリプションを購入できるようになる。

クリエイターのための新プログラムと新機能

 クリエイターが持続可能なビジネス構築するための新しいプログラムを発表し、ストーリーやスポットライトで視聴者を増やし、エンゲージするための新しいツールを導入した。

マネタイズプログラム

「ストーリー・レベニュー・シェア・プログラム」は、クリエイターのストーリー内に広告を掲載し、定期的な報酬を提供することで、クリエイターに再投資を行いコミュニティのための素晴らしいコンテンツを作成することを促すプログラム。

ストーリー・レベニュー・シェア・プログラムの初期試験運用を行っているクリエイターたちは、Snapchatへの投稿頻度を高めており、Snapchatのコミュニティも、彼らが作成したコンテンツを高く評価している。アメリカでSnapchatユーザーがこれらのクリエイターのストーリーを視聴する総時間は、前年比で2倍以上になっている。現在、5万人以上のフォロワーを持ち、月間2,500万回閲覧され、月に10回以上ストーリーを投稿しているクリエイターは、本プログラムに参加することができる。

「スポットライト・リワード・プログラム」は、コンテンツ制作を仕事にしたいクリエイターの卵たちを支援するためのプログラムのひとつ。今回スポットライト・スナップの上位作品にランクインしたクリエイターへの報酬を増額することとなった。

パブリックストーリー

18歳以上のSnapchatユーザーは、タップするだけで自分のパブリックストーリーを投稿できるようになった。カメラを開いてスナップを作成し、友だちと共有するか、パブリックストーリーに投稿するかを選択することができる。アカウントを切り替える必要はない。

ストーリーへの投稿も、これまで以上に簡単になり、新しいスケジュール機能によって、クリエイターはいつでも自分のストーリーを管理でき、自由に投稿できるようになった。また、クリエイターはスナップを新しいパブリックプロフィールに保存し、コンテンツパフォーマンスのインサイトやストーリーの返信にアクセスすることができる。

Snapchatでクリエイターコンテンツを発見

Snap Map上にてクリエイターコンテンツを新しく表示されるようにし、ストーリーとスポットライトで新たなクリエイターを見つけられるようにしている。

もしユーザーが、次の「絶対に外せない」レストランをコミュニティのために探しているクリエイターであれば、スポットライト・スナップに場所をタグ付けするだけで、そのリーチを広げることができる。場所タグを使えば、そのクリエイターの動画はSnap Map上の場所プロフィールに表示される。

クリエイターは、気に入ったストーリーを自分のプロフィールに保存することも可能。Snapchatユーザーは、ストーリーのページでこのような「ベスト・オブ・モーメント」を見つけることができる。新しいクリエイターを見つけてフォローしたり、お気に入りのクリエイターのストーリーを楽しんだりするのに最適な方法となっている。

その他のツールや機能

クリエイターの体験を向上させるために、この1年で数十種類の新機能とアップデートをリリースし、現在も数週間ごとに新しい機能が発表され続けている。

クリエイターは、新しいパブリックプロフィールに、大手リンクインバイオプラットフォームである「Linktree」を追加できるようになった。

最近では、Snapchatユーザーがスポットライト・スナップにリアクション・再共有できる「Remix」を開始。さらに「スポットライト・リプライ」を強化して、クリエイターたちが自分の動画に表示される返信をよりコントロールできるようにした。ARレンズと組み合わせる「サウンド」をおすすめする新しいツールにより、スナップがより表現豊かになる。

ARを通じて買い物体験を向上 「ARES ショッピングスイート」で小売業に革命を

拡張現実を通じて、ユニークで便利なAR体験やAIによるレコメンデーションをユーザーに提供することに情熱を注いでいる。AR Enterprise Services(ARES)は、同社の技術をユーザー自身のアプリやウェブサイト、店舗に導入。ARESが小売店向けに提供する最初の製品である「ショッピングスイート」は、すでに企業のブランドロイヤリティの向上、商品返品率の低下、競争環境での差別化で結果を出している。

ショッピングスイート

「ショッピングスイート」は、3Dビューワー、AR試着、フィットファインダーなど5つの機能で構成されており、安心して買い物をすることができる。一方、小売業者はARの作成と管理をシンプル、迅速、かつコスト効率的に行うことが可能。ショッピングスイートを使えば、ユーザーたちは3Dで商品をチェックしたり、ARでアパレルやアクセサリーを試着したり、AIにぴったりなサイズをおすすめしてもらうことができる。

AR試着

新しいスタイルの洋服、靴、アクセサリーをリアルタイムで試着することができる。これには洋服の試着技術も含まれ、自分の写真をアップロードすることで、試着したイメージをすぐに確認することが可能。またアクセサリーの試着では、商品詳細ページから直接、ライブでAR体験をしながら商品を触ることができる。

3Dビューワー

商品のあらゆる角度やディテールを確認できる、インタラクティブな商品ビジュアライゼーション体験。

フィットファインダー

AI技術により、買い物客の体型や好みに合わせて、精度の高いフィット感やサイズ感を提案する。

エンタープライズ・マネージャー

フロントエンドのダッシュボードとバックエンドのインフラストラクチャで、ARアセットの管理と作成、「ショッピングスイート SDK」の実装、AR体験の作成、3Dアセットカタログの管理を行い、消費者のエンゲージメントとコンバージョンに関するリアルタイムのパフォーマンス分析を行うことができる。

ハンズオン・インテグレーション・サービス

社内の専門チームが、キックオフから完了に至るまで、ユーザーがショッピングスイートの強力な機能をシームレスに導入・利用できるようにサポートする。

ARミラー

ARミラーは、ARのパワーと創造性を企業の物理的なスペースやイベントで提供するもので、商品をバーチャルに試着したり、コンテンツの作成や共有を促す魅力的な体験を楽しんだり、お店で見た商品についてより詳しく知るために役立つガイドや解説を受け取ることができる。

また、コカ・コーラ社と提携し、自動販売機を新しい種類の製品体験へと変化させようとしている。最初のプロトタイプはコカ・コーラの自動販売機で、ARを活用した体験や特典などを提供するポータルとなっている。買い物客は自動販売機に近づき、ハンドジェスチャーで操作できる。 同社とコカ・コーラ社は、自動販売機、アプリ、ウェブサイトにおいて、人々のコーラブランドへの関わりかたを進化させるARエコシステムを構築するという長期的なビジョンを共有している。

新しい「ジェネレーティブAIレンズ」など、良いタイミングで良いレンズを

 Snapのコミュニティでは、非常に大規模的にARが使われている。Snapchatユーザーの3人にふたりが毎日ARを利用し、1日平均60億回以上レンズを使って遊んでいる。

ジェネレーティブAIレンズ

ジェネレーティブAIを搭載した新世代のレンズをご紹介します(全世界で発売開始)。Snapchatユーザーは、「コズミックレンズ」を使って、自分自身や周りの世界をSFアニメのようなシーンに変身させることができる。

あなただけのために作られたカメラ

Snapchatには何百万ものレンズが存在する。Snapchatユーザーが撮影した写真や動画の文脈に合ったレンズは、カメラに映るものを視覚的に理解し、天気予報や時間帯などの要素を理解するAPIを組み合わせることで、その瞬間にぴったりのレンズが動的に表示される。

現在、同社はメモリーズのデータにARを追加する方法を検証している。Snapchatユーザーは、Snapchatカメラ上にて撮影したデータとレンズを並べて見ることができるので、過去の撮影したデータを振り返り、スナップのインスピレーションが湧いたときにすぐに撮影済みのデータにAR効果を追加できるようになる。

またSnapchatユーザー独自の好みにもとづいてレンズをオススメするレンズカルーセルのランキングアルゴリズムを改善し、新たなARバーを作成。Snapchatユーザーは、カテゴリー別に分類された数百種類ものおすすめレンズをカメラ画面上で見つけることができる。

これらのアップデートにより、クリエイター作成のレンズがARクリエイターコミュニティでSnapchatユーザーに推奨される機会を増やす。レンズスタジオの新しいツールを今年中に展開し、Snapchatユーザーにとって適切で役に立つシナリオをARクリエイターが選択できるようにする予定。

同社はARクリエイター、開発者、パートナーの活気あるコミュニティとともに、私たちのコミュニティにもっとも創造的で役に立つAR体験を提供することを常に目指している。

「My AI」の次なる目標

 同社はAI搭載チャットボットである「My AI」が新機能を搭載し、世界中のSnapchatユーザーに展開されることを発表。

My AIをパーソナライズ

AIには、何千種類ものユニークなBitmojiが入っており、簡単にカスタマイズして、オリジナルのAIにすることができる。

友だちとの会話でのMy AI活用

友達との会話にMy AIを使う際は、MyAIをメンションし、グループの代表として質問する。AIがチャットに参加すると、名前の横にスパークルが表示される。

Snapchatのおすすめ

My AIは、Snap Mapからおすすめの場所を表示し、関連するレンズを提案。たとえば、My AIに家族のための週末のアクティビティを提案させたり、友達の誕生日を祝うのにぴったりのレンズを提案してもらうことができる。

My AIとスナップを共有

Snapchatのコミュニティでは、My AIにスナップを送信しチャットの返信を受け取ることができる。

ジェネレーティブAIと会話を楽しむ

Snapchatでは毎秒55,000枚以上のスナップが作成されている。スナップを作成することはSnapchatのコミュニティが連絡を取り合うための自然な方法だが、Snapchatユーザーはまもなく、My AIをスナップして、視覚的な会話を楽しめるユニークなジェネレーティブスナップを取得できるようになる。

 My AIをリリースして以来、同社は次のような改善に取り組んできた。

  • My AIがコミュニティガイドラインを遵守するようプログラムし、不適切または有害な反応から保護できるようにした。
  • Snapchatユーザーの生年月日を利用した新しい年齢シグナルの導入により、チャットボットが常に年齢を考慮するようになった。
  • 有害な可能性のあるコンテンツの重大性を評価し、Snapchatユーザーがサービスを悪用した場合、My AIへのアクセスを一時的に制限することができるモデレーション技術を追加予定。
  • アプリ内の保護者用ツール「ファミリーセンター」にMy AIを組み込む準備を進めており、これにより、保護者は自分の子どもがMy AIとチャットしているか、またその頻度を確認できるようになる。

 同社は引き続き、AIをより安全で楽しく、便利な体験にするために、これらの初期の学習結果を活用していく考え。