ベネッセ、生成AIを活用したウェブサイト制作・運用改革によりコスト4割削減、制作期間は半分以下に短縮

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2023/10/31 06:30

 ベネッセホールディングス(以下、ベネッセ)は、メンバーズ、ビービットと共同で今年7月に開始した、生成AIを活用した「次世代型Webサイトプロジェクト」において、PoCを実施した。生成AIとノーコードツールの導入により、「進研ゼミ 中学講座」のサイト制作においてコスト4割減、制作期間8週間から3週間への短縮に成功。本年度中より段階的に新体制に移行し、次年度(2024年4月以降)には既存のウェブサイトの業務プロセスを全面的に改革し、顧客体験の向上ならびに、生産性向上実現を目指すことを発表した。

 今年7月より、ベネッセが運営する「進研ゼミ」ウェブサイトにおけるデジタルマーケティング業務において、メンバーズのデジタルビジネス運用支援のノウハウと、UXデザインコンサルティングに実績をもつビービットの技術支援による「次世代型Webサイトプロジェクト」を開始し、PoCを実施してきた。同プロジェクトでは、これまでの人的な工数が多く発生していたウェブサイト制作・運用において、生成AIを活用し「作業」を圧倒的に効率化、人がやるべき「戦略立案」「企画」業務にフォーカスし、顧客体験の向上ならびに、生産性向上の実現を目指している。

 約3ヵ月のPoCにより、進研ゼミ 中学講座のサイト制作において、生成AIならびにノーコードツールを導入し、業務プロセスを抜本的に改革することで、コスト4割削減・8週間から3週間への短納期化・人数体制7割減の成果があった。これを受け、11月より新体制による制作・運用に段階的に移行。次年度には、「進研ゼミ」におけるウェブサイトの業務プロセスを全面的に改革する予定。

「次世代型Webサイトプロジェクト」における新運用体制と成果

最適なテクノロジーを活用し、業務プロセスを再構築

  • 運用業務、改善施策PDCAをクイックに実行するため、最適なソリューション(生成AI、ノーコードツール、画像制作ツール、プロジェクト管理ツール)を組み合わせ、運用を高度化。

ライティング業務の自動化

  • 顧客にとってわかりやすい説明文や、適切なワードを生成AIにより自動生成し、作業工数を大幅削減。
  • 紙のDM用に作ったコピーの焼き直しではなく「ウェブに最適なコピー」を生成するAIを開発し、担当者のスキルによるばらつきをなくし、短納期かつクオリティが担保されたコピー開発が容易となる。

デザインテンプレートの導入

  • 専門知識がなくても、事前に設計されたWebに最適なデザインを組み合わせ、サイト制作を可能に。

ノーコードCMSの導入

  • Excelで作成したワイヤーからhtmlを作成する業務フローをなくし、ウェブサイトの現物をそのまま修正できる「ノーコードCMS」を導入。

ウェブサイト制作・運用改革について各社のコメント

株式会社ベネッセホールディングス専務執行役員 CDXO 兼 Digital Innovation Partners本部長 橋本英知氏

「この3ヶ月のPoCにより、生成AI活用が生み出す成果が確実に見えてきました。速やかに実装しつつ、さらなる活用範囲の拡大のためのPoCを引き続き行っていきます。

今回の取り組みのパートナー企業である、メンバーズ様、ビービット様と共に、生成AIをはじめとする最新技術活用、さらに「人」だからこそ活躍できる業務領域を特定することで、さらなる生産性向上と顧客満足度向上の両立に努めて参ります。」

株式会社メンバーズ 代表取締役 兼 社長執行役員 髙野 明彦氏

「生成AIやデジタル先端技術の活用による業務プロセスの変革は、飛躍的な生産性向上や新たなビジネスモデルの創出を実現し、ビジネス成果の向上をもたらします。

メンバーズでは本プロジェクトによる成果を他社へも展開し、Web運用のみならず幅広いデジタルビジネス運用の高度化を浸透させ、お客さま企業のDXを通じた価値向上に貢献してまいります。」

株式会社ビービット 代表取締役 遠藤 直紀氏

「生成AI活用によって、デジタルマーケティング運用業務の大きな効率化が進んできました。先端技術による自動化を進めることで、我々3社は各自の得意分野を活かし、お客様への高品質なエクスペリエンス提供に注力できるようになっています。教育・介護領域のリーディングカンパニーであるベネッセ様と、デジタルビジネス運用のプロフェッショナル集団であるメンバーズ様と協働することで生み出した本成果を、さらに大きく展開していくことを目指していきます。」