アダストリア、ファッション特化型メタバースプラットフォーム「StyMore」オープン 第1弾参入企業はサンリオ

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2024/04/12 07:00

 カジュアルファッション専門店チェーンのアダストリアは、ファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモアー)」をオープン。

 StyMoreへの第1弾参入企業として、サンリオが決定。今後、さまざまな事業会社や個人クリエイターに出店してもらい、ファッション領域でのメタバース事業を拡大していく。

アダストリアが手がける「メタバース」とは

 同社は、2025年に向けた成長戦略のひとつに「デジタルの顧客接点・サービスを広げる」ことを掲げている。アパレル領域だけでなくメタバースの世界でも同じように、モノ・コト・ヒト・トキの体験によってファッションをより楽しむきっかけを提供したいと考え、2022年7月にメタバースプロジェクトを発足した。

 これまでに、同社が展開する8つのブランドのメタバースデジタルファッション(アバター用の洋服)を販売。また、アバターやデジタルファッションの販売以外にも、業界の枠を超え、さまざまな企業やクリエイターと連携しながらメタバース領域での事業を展開し、デジタルの顧客接点を拡大していく。

「StyMore」オープンの背景

1.デジタルファッション(アバター用洋服や小物雑貨)の需要性

 メタバースプロジェクトがスタートして約1年半がたち、2022年に販売したオリジナルアバター「枡花 蒼(ますはな あお)」や「一色 晴(いっしき ひより)」は販売開始から好評を得てきた。また、オリジナルアバターとは別に、そのアバターが身に付けるデジタルファッションや小物雑貨も販売しており、その割合はメタバース全体売上の約8割を占め、デジタルファッションの需要があることがわかった。

2.メタバース市場の潜在性

 さらに、同社が独自で行った調査では、アバター関連商品への年間支出額が、全体で「30,000~49,999円」と「100,000円~」が18.3%ともっとも高く、アバター向け衣装の購入頻度は「月に2~3回」が42.2%ともっとも高い結果となった。普段のリアルの洋服の購入頻度は「2~3ヵ月に1回」が34.3%ともっとも高いことから、リアルの洋服購入頻度より、メタバース向けアバター衣装の購入頻度の方が高いことが伺えた。

 前述から、デジタルファッションにはすでに需要性と今後拡大する可能性がある潜在市場であると捉えている。メタバースの世界では、(自身のアバターの)洋服やアクセサリーを購入するといったファッションを楽しむ購買行動が生まれおり、そのほかにも、音楽フェスや旅行に行ったり、友人たちと会話をしながら食事をしたり、といった、人のリアルな日常と変わらない地続きな世界がすでに成り立っている。

 同社はこのメタバースの世界を新たなビジネス機会と捉え、ファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモア―)」を立ち上げることになった。

 70年間ファッションブランドを営んできたアダストリアだからこそ、リアルでもバーチャルでもファッションを楽しむ機会を提供し、さまざまな企業やクリエイターと協業しながら顧客接点の拡大とグッドコミュニティを共創していく。

「StyMore(スタイモア―)」について

 StyMoreは、自分の好きなスタイルでファッションを楽しむ“Style”、もっとファッションを楽しむ“More”ふたつの言葉を掛け合わせ、バーチャルでもリアルでもファッションを楽しんでもらいたい、という想いを込められた、ファッション特化型メタバースプラットフォーム。StyMoreで購入したデジタルファッションアイテムは、スマートフォンアプリでアバターに容易に着せ替えて(一部アイテムのみ)、VRChatなどのメタバース空間へアップロードすることができる。

サイトイメージ

特徴

  • 専門性:アパレルECサイトの様に直感的にファッションスキンを探せるサイトデザイン
  • テクニック:3DCGソフトがなくてもアバターの着せ替えができる/VRChatをはじめとした 4 つのプラットフォームで展開可能(※順次拡大予定)
  • 安心・安全:出店者の審査、作品のクオリティチェック/過度な露出、公序良俗に反するスキンなどは出品ができない
  • 取り扱いアイテム:今後、StyMoreでしか買えないアイテムの販売(※IPや企業とのコラボを予定)

ビジネスモデル

 個人のクリエイターや事業会社のメタバースアイテムをStyMore(スタイモア―)に出品し、ユーザーはStyMore(スタイモア―)に出品されたデジタルアイテムを購入。購入代金のうち、個人クリエイター7%、企業10%のサービス開始時の手数料を引いた金額が出店者の売上として受け取ることができるビジネスモデル。

「スタイモア―」への出店企業

 オープンに際して、ドットエスティと年間でさまざまな取り組みを実施しているサンリオの出店と、さまざまなメタバース展開をしているJR西日本コミュニケーションズが出店を予定している。