企画に大切な「分析力」と「発想力」とは? 実際の相談を振り返りながら考える

企画に大切な「分析力」と「発想力」とは? 実際の相談を振り返りながら考える
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 クライアントのあらゆる課題をさまざまな手法により解決していく総合デジタルソリューションカンパニー・D2C dotから、デジタルを中核とした4名のプロデューサー・チーム「組(くむ)」が生まれました。本連載では、「組」のプロデューサー陣が、仕事に取り組むうえでのポイントを紹介していきます。第2回は「企画」についてです。

 こんにちは。「組(くむ)」の安積(あさか)です。私はデジタルを専門とするプロデューサーとして、クライアントが抱えるマーケティング課題をデジタルの力で解決することを仕事としています。前回の記事ではプロデューサー目線での「オリエンテーションの心構え」について紹介しました。2回目となる今回は、オリエンテーションを受けたあとの「企画の考えかた」についてです。

 仕事をするなかで、誰しも一度は企画をした経験があるのではないでしょうか。「企画をしてほしい」と頼まれたとき、なにを用意しなくてはいけないのか。そもそも「企画をする」とはどういうことなのか。まず、「企画とはなにか」について考えていきます。

 「企画」と、派生した「計画」の意味をそれぞれ調べてみました。

  • 企画:ある事を行うために計画をたてること。
  • 計画:ある事を行うために、あらかじめ方法や順序などを考えること。また、その考えの内容。プラン。

出典:デジタル大辞泉

 まとめると企画とは、「あることを行うために、その方法や手順を考えること」と言えます。

 プロデューサーとは「プロジェクトを実現させることのできる人」であると考えますが、実現のための道しるべが“企画”であり、プロデューサーの醍醐味でもあります。では、企画を考えるうえでのポイントはなにか。私なりの考えを説明します。

 企画で大切なのは「分析」と「発想」の掛けあわせです。それに紐づく形で7つの工程を挙げていますが、[1.目的]や[2.商材]は事前に情報が十分に提供される場合もあれば、[5.コンセプト]や[7.広げるための方法]が前もって決まっている場合もあるなど、その時々により必要性や優先度は異なります。

 そのため工程をひとつずつ細かく見るよりも、1~4を分析力、5~7を発想力と大きく捉えて考えていきます。

分析に必要な3つの目と、発想で大切な引き出しの数

 まず「分析力」についてです。突然ですが、ものの見方で「虫の目・鳥の目・魚の目」という例えがあります。虫の目は詳しく深く見る、鳥の目は俯瞰的に見る、魚の目は流れを見るという意味です。

 これらの視点は、企画を考える際のターゲット選定やニーズの発見において大切です。企画を届けたい相手がどのような行動パターンをとり、何に興味を示すのか。それらを適切に捉えるためにはさまざまな角度から捉えたうえで分析することが不可欠です。また、視点が自己中心的にならないよう、そして分析の精度を上げるために、誰かと話すことも重要です。

 続いて「発想力」について。企画書でよく目にするコンセプトやアイディアをどうすれば考えることができるのか――。これは誤解を恐れずに言うと、発想のセンス次第です。

 ただ注意していただきたいのは、ここで言う「センス」は先天的な能力や一瞬のひらめき、直感と言った偶発的なものではなく、溜めてきた知見や試行回数などで必然的に得られる情報、つまりは「持っている引き出しの数」です。そう考えると、センスとは「磨くことができるもの」だと言えるでしょう。たとえば、ファッションセンスのある人は服をたくさん見て買いますし、グルメな人はさまざまなレストランへ行って食事をするからこそ、店選びのセンスが磨かれるのです。

 では「発想のセンス」はどのように磨くのか。大切なことは、世の中にある実例をたくさん見て吸収し、自分の引き出しとして持つことです。

 実例を見るときのコツは、「どうして話題なのか(話題にあがらないのか)」、「どうやってクライアントから企画の承認を得たのか」、「オリエンは何を目的にしていたのか」について、自分自身で深堀って考えることです。それを繰り返すうちに、実例をみてその要点(特徴づけるポイント)がわかるようになります。ポイントをつかむことができると、企画を考えるときにも応用が可能になるでしょう。

 世に出ているさまざまな実例をみて自分の引き出しの数を増やすことが、発想のセンスや発想力を磨く近道です。あとは分析同様、考えをアウトプットし、周囲の意見を聞くことも大切です。

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