共通の“キー”を用意せよ TVCMとデジタル広告を連動させるクリエイティブづくりとは

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デジタル広告の配信面への最適化

 また、デジタル広告の配信面に合わせたフォーマットの最適化も大きなポイントです。CMだと15秒の横長サイズの構成が多いですが、デジタル広告であれば30秒、1分程の動画も考えられます。縦長サイズの動画も有効でしょう。ここからは秒数とサイズのふたつに分けて解説します。

秒数

尺が長いと見てもらえないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、まずは冒頭でスキップされてしまうことを防げれば、最後まで集中して視聴してもらえる可能性が上がります。弊社では12秒と60秒の動画を配信した際、長尺の60秒のほうが、12秒の動画より最初の離脱は多かったものの、視聴完了率は高かったという結果もありました。

長尺は見られないと決めつけるのではなく、長尺だからこそ、見入ってしまうような“コンテンツ”に近いものをつくると考えてみてください。

TVCMが認知を得る、興味を持ってもらうためのものだとしたら、デジタル広告ではコンテンツ寄りのクリエイティブでファン化を狙っていく戦法です。

TwitterやTikTokなど、拡散力があり、エンゲージメントが盛り上がりやすいメディアでは、ユーザーの「ウケる」「わかる」「エモい」などの感情を引き出すことができれば、いいねやシェアでバズる可能性もあるでしょう。広告をコンテンツとして見てもらいやすいメディアを選定することもあわせて想定できると、さらに効果を最大化できるかもしれません。

サイズ

近年ではTikTok、Instagramストーリーズ、YouTubeショートの影響で、縦長動画のほうがなじみがあるという傾向が加速しているように思います。横長動画に帯を付けて、正方形や縦長サイズにするなどのリサイズも常套手段ではありますが、可能であれば縦長いっぱいの動画にしたほうがインパクトは大きいです。

TVCMをそのままデジタルでも配信するケースは制作の難易度は高いですが、中心部分をそのままトリミングしても違和感のない構成で撮影することができるとベストです。

縦長サイズの動画はインパクトの大きい表現をつくりやすいので、TVCMと同じ横長の構成ではなく、画面いっぱいに広げた表現にするにはどのような工夫ができそうかなどを考えてみるのも良いでしょう。

まとめ

 TVCMとデジタル広告をどうブリッジさせていくか、どこに差をつくっていくかをテーマにお届けしてきましたがいかがでしたか?

 紹介した3つのポイントは、1つひとつの難易度はそこまで高くはないものの、すべて守ってつくろうとするとその難しさはぐっと上がります。まずはすべてのポイントを押さえようとしなくても良いので「今回は3つのうちこれを実践してみよう」という意識で取り組んでいただければと思います。

 TVCM×デジタル広告のかけあわせにはまだまだ工夫を凝らす方法がたくさんがあると思うので、今後も探求していきたいです。それでは次回もお楽しみに!