[最終回]AI技術が大きく進化する今、ウェブマーケターとクリエイターが磨くべきスキルとは

[最終回]AI技術が大きく進化する今、ウェブマーケターとクリエイターが磨くべきスキルとは
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 2022年8月以降、テキストを入力するとそれに沿った高いクオリティの画像を⽣成するAI「Midjourney」や「Stable Diffusion」が、また、同年11月末頃からは文章生成AI「ChatGPT」が話題となっています。本連載では、こういったAIをはじめとしたテクノロジーの進化が今後のウェブマーケティングや広告クリエイティブにおよぼす影響や、その変化に対応していく方法などについて、ガラパゴスの代表取締役 中平健太さんが解説します。

 第1回から第3回の記事ではAI技術・テクノロジーの進化により変化を迫られてきたウェブマーケターとデザイナーの歴史を、そして前回の記事では今後のウェブマーケティング・広告クリエイティブに影響を与えるAI技術について紹介しました。

 今回は、2022年夏頃から大きな話題となっているAI技術・テクノロジーの進化に応じて、これからの時代にウェブマーケターとクリエイターが磨くべきスキルについてお伝えします。

これまでのマーケターとこれからのマーケターに必要なスキルの違い

 前回の記事で、「Generative AI(生成AI)」の中でもとくに、画像生成AIや文章生成AIはマーケティングや広告クリエイティブに大きな影響を与えていくだろうとお伝えしました。そしてこれから、それに応じてマーケターがとるべきスタンスや業務は変化していくでしょう。そのため、いち早く新しいテクノロジーをキャッチアップし対応するマーケターこそが成果を生み出すことができると考えています。

 本連載でもご紹介したとおり、マーケターは時代やテクノロジーの進化に対応しながら変化してきました。中心としている業務をもとにマーケターを「マーケター1.0」「マーケター2.0」と定義づけるとすると、Generative AIの登場を境に、これからの時代のマーケターは「マーケター3.0」と言えると思っています。

 「マーケター1.0」はテレビCMやチラシがまだ全盛だった頃のマーケターです。彼らはプロモーションにおいて、GRP・定量調査などを指標にオフラインの4大マスメディアへの出稿によって顧客の認知や好意度を上げ、露出の際のコンセプト設計のために顧客と向き合ってきました。

 「マーケター2.0」は、インターネット普及後、ウェブ広告が中心となった時代のマーケターです。ウェブデザイナーにクリエイティブ制作を依頼し、ウェブデザイナーがフォトストックサービスなどを活用しながら制作したデザインをGoogle広告などに出稿。ユーザーにアプローチし、CTRやCVRなどの数値で効果を判断してきました。

 マーケター2.0は、ウェブマーケティングに取り組む中で、さまざまなプラットフォームを管理しながらデータ・数字が追えるようになりました。しかしその数字を改善することに多くの時間を割かなければならなくなり、マーケティングにおいて重要である「そもそも自分たちの顧客とは誰か」「なぜ自社の商品を買ってくれているのか」という、「顧客理解」の観点を見落とすことが多くなってしまったように思います。

 きちんと「顧客理解」をすることができれば、その顧客にマッチしたマーケティング施策を実施できるようになる。つまり、効率よく商品を売ったり価値を提供したりすることができるため、本来マーケティングで最優先で取り組むべきは「顧客理解」です。しかし、2021年12月に実施されたマーケターへの「顧客理解の作業をどれだけ行っているか」の調査結果を参照してもわかるとおり、約65〜90%以上の人が行えていないことが明らかになっています。

参照元:note「328万人のマーケターの皆さまへ!『顧客理解サイクルの作り方』」
参照元:note「328万人のマーケターの皆さまへ!『顧客理解サイクルの作り方』

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