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リワイア、画像生成AIの権利管理の新たなスタンダードを目指す「Generight」をリリース

CreatorZine編集部[著]

2024/03/26 12:00

　フィードフォースグループのグループ会社であるリワイアは、画像生成AIの利用における著作権や肖像権などの権利問題に対応し、生成AI技術の健全な発展と、AI関連市場の持続可能な成長を促進するために「Generight（ジェネライト）」の提供を開始する。

「Generight」とは

　Generightは、画像生成AIの学習に用いられる素材の権利を厳格に管理し、クリエイターや企業が安心してAIを活用できる環境を提供するサービス。著作権や肖像権が確実にクリアされた素材のみを追加学習データとして使用し、提供元への公正な対価支払いを保証する。また、学習データの選定から最終的なクリエイティブ出力に至るまで、全プロセスにわたり権利関係を厳格に管理する透明性の高いトレーサビリティシステムを備えている。くわえて、拡散モデルを活用した画像生成を用いて高品質なクリエイティブの生成を実現している。権利管理に気を遣うことなく、質の高いクリエイティブを高頻度に提供する画像生成AIサービス。

開発の背景

　近年、画像生成AI技術は目覚ましい進歩を遂げ、高品質な画像生成が可能となった。一方で、学習データに含まれる著作物の権利処理や、生成画像の著作権帰属など、法的・倫理的な課題が浮上している。

　現状の画像生成AIでは、学習に使用されたデータの詳細が不透明であるため、生成された画像が既存の著作物に似ているか否かの判断が難しく、権利侵害のリスクが懸念されている。また、仮に権利侵害が疑われる場合でも、学習データを特定することが困難なため、適切な対応が取りにくいという問題もある。

　こうした状況を踏まえ、各国の政府機関からはAIの学習データに関する透明性の確保や、必要に応じた学習データの開示などを求めるガイドラインが示されつつある。AI技術の健全な発展と、創作者の権利保護を両立させるための取り組みが求められている。

　リワイアは、こうした背景を受け、画像生成AIの学習データを厳格に管理し、透明性の高い権利処理を行うことで、クリエイターの権利を守りながら、AIの可能性を最大限に引き出すことを目指し、「Generight」の開発に着手した。Generightは、画像生成AIの学習データとなる素材の権利を適切に処理し、利用者が安心して画像生成AIを活用できる環境を提供する。これにより、画像生成AI技術の健全な発展とAI関連市場の持続可能な成長創作活動における法的・倫理的な配慮の促進を図りたいと考えている。

Generightの提供機能

著作権・肖像権が確実に管理された学習素材の利用

著作権や肖像権が確実にクリアされた素材のみを追加学習データとして使用し、素材提供元への公正な対価支払いを保証する。

透明性の高い権利管理システム

学習データの選定から最終的なクリエイティブ出力に至るまで、全プロセスにわたり権利関係を厳格に管理する。使用される各データの権利状況を自動で確認し、それらを学習モデルのメタデータとして記録する。

高品質なクリエイティブの生成

権利が確実に管理された素材から学習されるAIは、法的なリスクを回避しつつ、拡散モデルを活用した画像生成技術を用いることで、高い品質と創造性に富んだコンテンツを生み出す。

生成クリエイティブの権利トレーサビリティ（特許出願中出願番号:2024-012286）

生成されたクリエイティブには、独自のメタデータが付与され、出力物がどの追加学習データを活用して学習されたモデルから出力されたものであるかが、簡単に追跡できる。このメタデータには、使用された学習データの権利情報や、学習モデルのバージョン、生成に用いられたプロンプトなどが含まれる。

これにより、生成されたクリエイティブが、権利処理済みの追加学習データにもとづいていることを証明できる。また万が一、権利侵害が疑われる場合でも、該当するクリエイティブの生成に使用された追加学習データを特定し、適切な対応を取ることが可能になる。

生成できる画像

AIで生成した人物モデル
人物モデルが着用する衣装
自然や建物などの背景

利用シーンの想定

　Generightが提供する機能を利用することで、追加学習に使用した学習データに関する著作権や肖像権を侵害することなく、次のような自由な利用が可能になる。

商品パッケージや商品・サービスのサイトでの利用
広告素材やバナーなど広告での利用
記事やブログにおけるイメージ写真での利用

今後の展望

　Generightは、画像生成AIにおける権利管理の新たなスタンダードを確立することを目指している。著作権や肖像権が適切に管理された学習データを用いることで、クリエイターの権利を守りながら、高品質な画像生成を可能にする基盤技術となる。

　さらに、Generightの技術は画像生成にとどまらず、幅広いクリエイティブ領域への応用を想定している。権利処理済みの学習データを活用することで、動画生成やリアルタイム変換など、AIを用いた新たな表現方法の開発が可能になる。これにより、AIを用いたクリエイティブ活動全般において、権利者の保護と自由な表現の両立が実現できるようになる。