日経イノベーション・ラボとメトロポリタン美術館、西洋絵画の500年を体感できるデジタル年表制作

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2022/03/03 20:00

 日本経済新聞社の研究開発部署である日経イノベーション・ラボは、ニューヨークのメトロポリタン美術館の協力を得て、同美術館が所蔵する西洋絵画2500点をビジュアライズしたデジタル年表「The European Masterpieces Timeline」を制作した。さまざまな時代に書かれた絵画が、いつ、どこで、どのような社会的背景のなかで描かれたのかを知ることができるという。同年表は、国立新美術館で2022年5月30日まで開催する「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」に展示されている。

 The European Masterpieces Timelineはメトロポリタン美術館ヨーロッパ絵画部門の所蔵品データを年表形式にビジュアライズした映像作品。同組織はメトロポリタン美術館が所蔵するヨーロッパ絵画のデジタルデータを利用し、デザインの方向性などのディスカッションを行いながら作品を作り上げた。

 作品内で大きく登場する絵画は「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の展示作品だが、絵をかたちづくる無数の小さな点は、メトロポリタン美術館が所蔵する約2500作品を基にしている。西洋の長い歴史を彩ってきたマスターピースの点が寄り集まってひとつの絵画となり、集合と離散を繰り返しながら次の時代の絵画へとかたちを変えていく。それぞれの作品が制作された年代や手法、地域を世界の歴史とともに時代を追って投影している。

 美術展において、年表コーナーは常に人が多く滞在する人気コンテンツのひとつ。同組織は多くの来場者に楽しんでもらえるように、デジタルテクノロジーを用いて年表を新しいかたちでデザイン。美術展において同組織が大規模なデジタル展示を行うのは、2018年に開催された「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」に続き2度目とのこと。