TOPPAN、「Shibuya Sakura Stage」運営において「CXマネジメント」の考えにもとづいた取り組みを開始

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2023/11/28 06:30

 TOPPANは、2023年11月30日に竣工する東急不動産による、渋谷の新たなランドマークとなる商業施設「Shibuya Sakura Stage」の一部施設において、「CX(カスタマーエクスペリエンス)マネジメント」(以下、「CXM」)の考えにもとづいた取り組みを開始することを発表。

 「CXM」とは「顧客体験管理」と訳され、顧客の満足度や顧客体験を重視したマーケティング戦略を意味する。同社はこのCXMの考えかたを「Shibuya Sakura Stage」の一部施設の運営に導入することにより、施設として来街者を継続的に呼び込むイベントやキャンペーンの企画、魅力的な企業や団体、クリエイターとコラボレーションなどを実施する予定。これらの取り組みを通じて多くの人々が来訪する理由や再来のきっかけをつくり、ファンやコミュニティを増やしていく好循環型の新しい運営を目指す。

 今回TOPPANは、リアル×デジタルでさまざまな新たな体験を提供する多機能型イベントスペース「BLOOM GATE」、小型照明約1,200台を立体的に配置し音響と照明を連動させる「にぎわいSTAGE」、屋外で生い茂る緑や果樹と菜園、大きな山桜に出会える「はぐくみSTAGE」の、3ヵ所の運営を受託。同社はこれらの施設を「CXM視点の体験の場」と捉え、テナントやイベント出展企業と、来街者・ワーカー・地元住民をつなぎ、顧客価値(LTV)の最大化を目指す。

 具体的な取り組み内容としては、リアルとデジタルを掛け合わせた体験設計や、イベントとデジタルサイネージを組み合わせた多面的な情報発信、クリエイターとの接点づくりとコミュニティ創出、東急不動産の他施設のメディアとセットでの広域連携施策などを予定している。

都心複合施設運営に「CXM」の取り組みが必要とされる背景

 従来の都心複合施設では、入居するテナントとともに館のブランドをつくっていくという施設運営が主流となっていた。しかし、新型コロナウイルスにより不要な外出が控えられたことにより、商業施設への来訪や、リアル店舗での買い物機会が減少し、都心複合施設の新しい運営の形が模索されている。とくに、商業施設としてのブランディング、「その施設に行く理由、そこで買う理由」をつくっていくことが喫緊の課題となっていた。

 「Shibuya Sakura Stage」において、TOPPANは「CXM」の考えかたを施設運営に導入するため竣工前の準備段階から、体験接点の機能的価値・情緒的価値の整理、各種メディアのプライシング、施設発信のイベントのありかたの設計などに参画。これまでTOPPANが培ってきたイベント企画のノウハウを活かし、イベント主催者側およびその先の顧客や生活者の視点に立った施設のメディア(イベントスペース、デジタルサイネージ、ホームページなど)のありかたや、レギュレーションの策定、施設主催のイベントの企画などを行っている。また、竣工後はメディア部分を活用し、賑わいと収益を最大化する運営を担っていく。

 TOPPANは、「CXM」の考えかたを取り入れた新しい施設運営の形を目指していく。 

TOPPAN による「CXM」の考えかたを取り入れた新しい商業施設運営手法の特徴

顧客体験と「LTV(顧客価値)」の拡大

施設主催のイベントやキャンペーンなどの効果的な運営により、顧客エンゲージメントを増幅する体験を創出。ブランディングおよびコミュニティ創出を目的とした自主イベント「SHIBUYA SAKURAGARAGE(SSG)」の定期的な開催(音楽やファッション、コスメ、ゲーム、アートなどのカルチャー軸で若手人材を発掘し育成するスクール企画など)や、桜丘地区の伝統のお祭りである「さくら祭り」の魅力を演出するイベントなど、季節にあわせた催事やキャンペーンなどを実施し、来訪目的と施設との関わりを増やす活動を行う。

パートナー、広告主の介在価値の創出

魅力的な企業や団体とのコラボレーションや誘致を起こ愛、新規顧客層の呼び込みやファン化を促進。「Shibuya Sakura Stage」のコンセプトと合致し、その世界観に共感する企業およびブランドへアプローチし、イベント提案やコラボレーション企画の実現を目指す。また、今後成長・拡張するポテンシャルの高いイベントやクリエイター、各種団体を発掘し、活躍の場を提供していく。

OMO(Online Merges with Offline)での情報体験の設計と、タッチポイントの整備

ホームページ、SNS、デジタルサイネージなど情報媒体の最適化を行うことで集客の最大化を図る。イベントスペースを体験の中心と位置づけ、そこに至るまでの認知・興味・来訪検討・来訪からの体験・購買のプロセスをディレクションし、各種のメディアを駆使した情報デザインをおこなうことで、消費者および広告主にとってのメリットを最大化する活動を行っていく。

今後の展開

 同社は、今後も不動産会社などと「CXM」の考えにもとづいた施設運営を共創していく。また、商業施設単体での賑わいと収益化の最大化だけでなく、複数の施設を広域的な観点で連携した取り組みをおこない、エリアとしての賑わいや特色を創出するエリアマネジメントに貢献する施策の展開も視野に入れ、多面的・重層的な戦略展開を計画していく。