制作会社と事業会社の良いとこどり リクルートグループのニジボックスで描けるUIデザイナーのキャリア

制作会社と事業会社の良いとこどり リクルートグループのニジボックスで描けるUIデザイナーのキャリア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2023/03/24 11:00

 「SUUMO(スーモ)」「ホットペッパービューティー」「じゃらん」など、誰もが耳にしたことのあるウェブサービスを多数開発・提供しているリクルートには、UI UXデザインプロセスから開発・運用・改善まで、ワンストップでサービスを提供するグループ会社がある。2010年にリクルートより分社化した「ニジボックス」だ。約100人のデザイナーが所属している点では、一般的な“制作会社“のイメージと合致するが、ニジボックスに所属するデザイナーの大半が関わっているのは、リクルート関連サービス。つまり、事業会社に深く入りこみ、開発や運用に携わることが求められているのだ。そんな両面を持つニジボックスで、デザイナーはどのように働き、どんなキャリアを描いているのか。今回は、クリエイティブ室 プロダクト推進部で部長をつとめる上田沙緒理さんと、グループのマネージャーである光門映恵さんに話を聞いた。ふたりの話からは、事業会社と制作会社の“良いとこどり”を実現した、ニジボックスならではの醍醐味が見えてきた。

ウェブデザイン未経験から入社したふたり ニジボックスのUIデザイナーは上流から

――はじめに、ニジボックスに入社した経緯からお聞かせください。

上田 私は美術大学を卒業してから、印刷会社に入社しDTPオペレーターとして勤務したのち、営業事務の仕事に転職しました。その業務が採用関連だったこともあり、さまざまな方の転職活動を見てるうちに、私ももともと携わりたかったデザインの仕事に挑戦したいと思うようになったんです。当時、デザイン業務は未経験でしたが、ポートフォリオを整え、ニジボックスにデザイナーとして入社しました。

入社後は、先輩デザイナーから指導を受けながら、キャンペーン用のLPやバナーの制作業務に従事。数ヵ月が経ってから、UIデザインの仕事に携わるようになりました。それから3年ほどしたタイミングでグループリーダーとなり、4年めにマネージャー、5年めで部長となり、マネジメント職としてのキャリアを歩んでいます。

光門 私も美術大学を卒業したのですが、小学校の教員、グラフィックデザイナー、居酒屋店長などしばらくは職を転々としていました。デザインの経験は紙媒体のみだったのですが、ウェブデザインを未経験からチャレンジさせてもらえる会社を探し、入社したのがニジボックスです。

バナー制作から始め、3ヵ月後からはリクルートのHR領域のサービスにUIデザイナーとして参画。経験を積んでいくなかで、デザインを通して課題を解決する点に魅力を感じるようになりました。以前から興味があった人事や採用業務にも携わりながら、現在はマネージャーをつとめています。

――デザイナー組織にはどんな特徴がありますか?

上田 クリエイティブ室には、デザイナー、映像クリエイター、イラストレーターなど、制作やデザイン関連のメンバーが所属しており、全体のデザイナーは100名前後です。

※2023年3月時点
ニジボックスの組織図(2023年3月時点)

またニジボックスでは、マネージャーやグループリーダーなどの上長も、デザイン領域に従事しているメンバーのため、デザインの知識を持った人が評価もしています。デザインのことを理解している上長からの評価は納得感がありますし、業務上で困ったことも相談しやすい環境だと思います。

光門 横のつながりに関しては、リクルートのサービスごとに制作グループが分かれているものの、それを超えた関わりがあることも特徴です。たとえば、私が所属しているHR領域担当のグループとSUUMO担当グループでは、「LT(Lightning Talk)会」と題したプレゼンテーションを月1回行っていたり、ゼクシィなどを担当するグループとは「ナレッジ共有会」を実施したりしています。そういった取り組みのおかげで、お互いのノウハウを共有しながら高めあっていくことができていますね。

また、休日が非常に多く年間145日あるため、業務調整は工夫しなければならないほど(笑)。ただ、休日が多いことによってメリハリをもって働くことができるので、その点は大きな魅力だと感じています。

上田 現在はリモートワーク制度が導入されており、頻繁にオフィスに行く人もいれば、年に数回しか出社しないメンバーもいる。担当業務やライフスタイルにあわせて、各メンバーが任意で選択できるようになっています。

株式会社ニジボックス クリエイティブ室 プロダクト推進部 部長 上田沙緒理さん
株式会社ニジボックス クリエイティブ室 プロダクト推進部 部長 上田沙緒理さん

――また、ニジボックスのUIデザイナーはどのような役割を担っているのでしょうか。

上田 UIデザイナーは、「SUUMO」「リクナビ」「ホットペーパー」など親会社であるリクルート関連の仕事を担当するメンバーと、リクルート以外の受託制作に従事するメンバーに分かれています。

前者の業務に携わっているUIデザイナーは、リクルートのデザイナーやディレクターとともに、リクルートが持つメディアの運用などを行っています。メディアやメンバーによって異なる部分もありますが、リクルートが施策の方向性を決め、ニジボックスがデザインの実装を担うという流れが多いですね。

もちろん、UIデザインのみをして終わりではありません。情報設計の段階で必要なテストを提案したり、そのテスト結果をどのように解釈するかを考えたり、ユーザーインタビューに同行したりなど、より良いUXづくりにも注力しています。

光門 リクルートの企画担当者から「一緒に企画もやってもらえないか」と声をかけてもらい、上流からUIデザインまで一貫して関わったこともありましたね。

上田 UIデザイナーと言いつつ、制作工程の上流とも言える情報設計やデザインのディレクションを任せてもらうことも多いです。そのため一般的な「UIデザイナー」の範囲よりも、業務の幅はかなり広いかもしれません。

リクルートグループならではの文化も踏襲 転職せずに多様なプロダクトに携わることも

――デザインをするうえで、おふたりが心がけていることはありますか?

上田 チームとしては「デザイナーだからここまでしかやらない」という枠は決めないようにしようと話しています。たとえば「デザイナーだからワイヤーフレームは書きません」と線を引いてしまったら、今後デザイナーを頼ってもらえる機会は減るでしょう。もちろん役割分担が必要な場面もありますが、手掛けているプロダクトを良くするためにUIデザイナーとしてどこまでできるのか、を考える視野の広さは重要だと思っています。

また悩みやつまずきがあったときに、答えが出るかどうかはわからないけれど、まずは人と対話してぶつけてみる「壁打ち」文化がリクルートにはあります。フィードバックを得ながらより良いものを目指していくのが、ものづくりでありデザイン。そのため先輩への相談ごとだけでなく、先輩が後輩へアドバイスを求める際にも壁打ちを行うケースがたくさんあります。

光門 私のグループでも、経験年数とわずどんな立場のデザイナーであっても、制作物を提出する際には必ず相互レビューを行うようにしていますね。

――そんなニジボックスのUIデザイナーとして働く醍醐味や、描くことのできるキャリアパスを教えてください。

上田 リクルートには多くのユーザーを抱えるサービスも多いため、デザインによって「予約が増えた」「検索行動が改善された」などが数字で表れやすい。目に見える成果がでたときはとてもやりがいを感じますし、自信にもつながっています。

また、リクルートでは物事の意図や背景などを説明したり、ディスカッションすることで理解を深め、納得して仕事を進める文化がありますが、それはニジボックスでも同じ。なにかを提案する場面でも、デザインの目的などがしっかり言語化できているものが採用されます。そのためまずは説明ができるかを自分で確認するのですが、それができないときは、自身で納得できていないケースがほとんど。そういったときこそ「どうしてこのデザインでなければいけないのか」を自問したり、何度も脳内プレゼンを行うことで、そもそも悩み自体を抱えることが減りました。そんな環境で日々仕事をすることで、どこへいっても通用する説明力が身についたような気がします。

光門 デザイナーが100名近くいるからこそ、デザイナー同士で支え合いながら切磋琢磨できる環境が大きな魅力だと感じています。また、興味のあった採用業務に関わらせてもらうことができたり、企画面から携わらせてもらったりと、「やりたい」と手を挙げたときにしっかり背中を押してくれる。挑戦しやすい風土が会社として醸成されている点も、働いていて良かったと感じる部分です。

株式会社ニジボックス クリエイティブ室 プロダクト推進部 HRデザイン2グループ マネージャー 光門映恵さん
株式会社ニジボックス クリエイティブ室 プロダクト推進部 HRデザイン2グループ マネージャー 光門映恵さん

上田 そんな会社だからこそ、さまざまなキャリアを歩むことが可能です。UIデザイナーから映像クリエイターとして異動したメンバーもいれば、私たちのようにマネジメント職として組織づくりに深く関わる道もある。またプレーヤーとしてのスキルを磨き、アクセシビリティやサービスデザイナーとしてスペシャリストになっていく人もいます。

私はこれまで、「SUUMO」「リクナビNEXT」「ホットペッパービューティー」「Airウェイト」の4つのプロダクトに携わってきました。SUUMOとリクナビNEXTではPCとスマートフォンのサイト更新・運用を担当していましたが、ホットペッパービューティーではiOS/Androidアプリのデザインに従事しました。このように、ニジボックス1社のなかで、規模もユーザーもさまざまなプロダクトに携わる機会があることは、プレーヤーとしての成長につながりやすいのではないでしょうか。

「ニジボックスで価値観が変わった」 デザインの力で誰かの役に立ちたい人へ

――最後に、チームとして注力していきたいことやキャリアチェンジを検討している人へのメセージをお聞かせください。

上田 まず、組織としてデザインの制作力を上げていきたいと考えています。ニジボックスのミッションである「⽇本の持続可能な経済成⻑に貢献するため関わる全ての企業やサービスを成⻑させる」ことを実現するために、今以上にビジネスシーンにおけるデザインの価値を提示し、実践できる組織にしていかなければなりません。

また、UIデザイナーが100名弱と非常に多い会社でもあるため、そのマンパワーを活かし、入社後に個々のスキルをさらに上げることができるような環境づくりも行っていきたいです。

UIデザイナーのなかには、「チームとしてさまざまなデザイナーと関わり合いながらプロダクトを作りたい」「サービスの成長に関わる仕事がしたい」と思う方も多いと思います。

ニジボックスの良いところは、100名規模のデザイン組織に所属しながら、事業に深く入り込んでチームとして働けること。制作会社としての規模と、事業会社のような関わりかたを持ち合わせているため、制作会社と事業会社の良いとこどりができる点がニジボックスの大きな魅力だと思いますので、そんな環境で自身を成長させたい方のご応募をお待ちしています。

光門 正直ニジボックスに入社するまで、課題解決をしたいとは思っていたものの、何をすれば良いのか漠然としていたんです。ただニジボックスにジョインしてからは、どのように形に落としこんで課題を解決するのか、そのために自分は何をするのか、といった道筋が明確になった。ニジボックスに入って、価値観が大きく変わったんです。

ニジボックスには、私のようにデザインの力で「誰かの役に立ちたい」と思っている人がやりがいを感じられる機会がたくさんあります。とくに上流の情報設計から携わりたい方や、UIデザインの経験がある方は大歓迎です。もし興味があれば、応募先として検討していただけたら嬉しいです。

――上田さん、光門さん、ありがとうございました。