AbemaTVとは?10代に人気な無料ネットテレビの広告出稿方法

AbemaTVとは?10代に人気な無料ネットテレビの広告出稿方法
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2021/12/24 08:00

 インターネットテレビの一種であるAbemaTVは、10代をはじめとした若年層に人気が広まっています。「テレビ離れ」が指摘される若年層から一定の支持を集めるAbemaTVは、なぜ人気が出たのでしょうか。 本記事では、AbemaTVが若年層に人気の理由や今後の展望をふまえ、広告出稿方法についてもご紹介します。AbemaTVに広告出稿を考えるマーケティング担当者の方はぜひご一読ください。

AbemaTVとは

 AbemaTVは、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同で2016年4月に設立・開局したインターネットテレビ局です。通常、テレビをつけて見られるのは民放のテレビ局が放映する番組ですが、AbemaTVはそれらの番組・CM編成とはまた別の番組を放送していて、インターネットに接続できる環境さえあれば誰でも視聴できます。

 サイバーエージェントはもともと、「アメーバブログ」などの「アメーバ(Ameba)」と名前のつくサービスを展開していました。そのため、AbemaTVでは「Amebaの延長上にあるエンターテイメントでありながら、Amebaとは全く違う新しさもあることを伝えたかった」と社長の藤田氏は語っています。

参照: 「AbemaTV」(アベマTV)、なぜ「AmebaTV」じゃないの? 藤田社長「正直言って、半分くらい後悔」

 さらに、AbemaTVは2020年の開局4周年を機に、テレビだけでなくビデオも包括した映像配信サービスとして「ABEMA」に名称変更しています。同じく社長の藤田氏によれば、これはテレビの「その時間に見なくてはならない」という不便なイメージからの脱却を目指したことがひとつの理由だということです。

AbemaTVの料金プラン

 AbemaTVはインターネットテレビとして始まったサービスであり、基本のテレビ番組を見るだけなら、会員登録の必要もなく無料ですぐに視聴を始められます。一方で、有料の「プレミアムプラン」も用意されており、月額960円(税込)で以下のようなメリットが受けられます。

  • 広告(CM)が入らない
  • 有料ビデオを見られる
  • ダウンロード、追っかけ再生、見逃しコメントなどの機能が使える

 有料プランであるABEMAプレミアムに登録すれば、5,000以上あるさまざまなコンテンツをほぼすべて無制限に視聴できます。しかも、放送中の番組を「追っかけ再生」で視聴したり、番組を事前にダウンロードして外出先で通信量を抑えたりと、柔軟な視聴が可能になるのです。

AbemaTVのターゲット世代

 AbemaTVがターゲットとしているのは、「テレビ離れ」が懸念されている10代~20代の若者世代です。実際に、分析ツールの対象となる18歳以上の世代に絞っても、18~24歳が29%、25~34歳が28%という結果になりました(2019年時点)。

出典:「藤田氏が語るAbemaTVの事業戦略―ネット広告の「クリティカルな問題」を解決

 AbemaTVがターゲット層に好調に受け入れられているのは、上記のような若年層のニーズをうまく汲み上げているためだ、と藤田氏は分析します。「コンテンツを探すのは面倒」「流れている自分の好みの番組を、ラクして見たい」といったニーズとマッチしたのがAbemaTVのサービス形態なのです。

 YouTubeなどの動画配信サービスは多いものの、自分の好みに合った動画を見るためにはある程度「探す」必要があり、面倒だと感じる人もいます。テレビのように流れてくる番組をぼーっと見たい、その内容は自分の好みのものが良い。こうした若年層の潜在ニーズをAbemaTVがうまく汲み上げたことは、次章の「AbemaTVの特徴」からもわかります。

AbemaTVの特徴

 本章では、AbemaTVの特徴やメリットについて、4つのポイントをご紹介します。

趣味系チャンネルが豊富

 AbemaTVには、趣味系のチャンネルや動画が豊富です。例えば、麻雀・釣り・格闘・HIPHOP・ペットなど、地上波ではなかなかそれだけでひとつのチャンネルを作るのが難しい趣味系のチャンネルも、AbemaTVならひとつのチャンネルとして独立しているため、じっくり楽しむことができます。

 このため、AbemaTVのターゲット層は主に若年層ではありますが、趣味系のチャンネルを見たい中高年層も一定数視聴者となっているようです。なかなか地上デジタル放送のチャンネルでは見つからないという趣味を持っている人も、AbemaTVなら好みの番組が見つかるかもしれません。

会見フル生配信など、フレキシブルな放送が可能

 AbemaTVのフレキシブルな放送形態を最もうまく活かしているのが、記者会見の生放送だとされています。地上波のニュースでは、通常のニュースの間にねじ込む形になるため、どうしても一部やダイジェストなどの短時間の放送になりがちです。しかし、AbemaTVなら簡単に番組編成を変更でき、視聴者の「見たい」にすぐ応えられます。

 前述の趣味系チャンネルも同じように、コアなニーズ、ニッチなニーズにフレキシブルな対応ができるのがインターネットテレビの最大のメリットと言えます。地上デジタル放送ではなかなかニーズを満たせない層とうまくマッチできるのもうなずけるでしょう。

24時間放送されているので、砂嵐の時間がない

 AbemaTVは24時間放送されていて、地上デジタル放送のように放送が休止されてしまう時間帯がありません。さまざまな番組が24時間楽しめのでる、深夜にどうしてもテレビが見たい、というときでも視聴可能です。

コメント機能など、YouTubeのように楽しめる

 YouTubeやニコニコ動画など、動画配信サイトにはコメントを楽しむSNSとしての機能もあります。AbemaTVは動画配信サイトと同じく、スマホやパソコンからの視聴を前提としているため、コメント機能も搭載されています。使い方はYouTube LIVEやニコニコ生放送と同じで、リアルタイムなコメントのやりとりが可能です。

 とはいえ、もちろんコメントを表示せず通常のテレビと同じように楽しみたいという人は、コメントを非表示のまま視聴することもできます。このように、個人のニーズにきめ細やかに応えられるのもインターネットテレビの大きなメリットだと言えるでしょう。

AbemaTVに広告を出稿するには?

 前述のように、AbemaTVは若年層を主なターゲットとしたメディアであり、ターゲット層がマッチしている商品・サービスの広告を出稿するのに適しています。AbemaTVに広告を出稿するには、以下の2つの方法があります。

  • 通常のテレビ番組同様、CMとして出稿する
  • 番組として制作する

 CMとして出稿する場合、一般的なテレビCMで言えば「スポットCM」の扱いとなり、放送される番組ではなく時間帯を指定して出稿します。番組として制作する場合、番組の企画をAbemaTVに提案し、承認されれば放送できます。いずれも代理店を通じて行いましょう。

AbemaTVのこれから

 AbemaTV社長の藤田氏は、インターネットテレビのパイオニアとして、今後も「競合のいないビジネスモデル」を確立していくと掲げています。

出典:「藤田氏が語るAbemaTVの事業戦略―ネット広告の「クリティカルな問題」を解決

 そのひとつとして、CCI・CINRA・AbemaTVの3社が共同で販売開始した「動画コンテンツマーケティング支援のワンストップ提供」という共同プロダクトが挙げられます。これは2021年に始まったまだ新しいマーケティング支援サービスで、以下のような手順でマーケティングを支援します。

  1. 芸術文化メディア「CINRA」で、3~5分のオリジナルミニ番組を企画
  2. 「ABEMA」の番組枠とCM枠で配信
  3. アンケート調査サイト「マクロミル」で効果分析

 CCIはこれら企画全体のディレクションを行うとともに、販売網を司るという認識です。作った動画は広告主のオウンドメディア、SNSなどで二次利用することもできますので、資産として活用することもできます。若年層をターゲットとした広告出稿を考えているなら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

AbemaTVは若年層に人気なメディア。上手に活用してターゲット層にアプローチしよう

 AbemaTVは、「テレビ離れ」が懸念される若年層のニーズをうまく汲み取り、地上波を見ない層からの支持を集める映像配信メディアです。ターゲット層とマッチしているなら、広告の効果も見込めるでしょう。

 また、2021年からは関連企業と提携し、新たな動画コンテンツマーケティングサービスの提供も手がけています。地上デジタル放送ではアプローチしにくい層には、AbemaTVへの出稿も検討してみてはいかがでしょうか。