hakuhodo-XR、AR技術を活用し新しい顧客体験の創出に向けた商業施設での実証実験を開始

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2022/08/09 12:30

 博報堂と博報堂DYメディアパートナーズのXR領域のクリエイティブやソリューション開発を行うプロジェクト「hakuhodo-XR」は、リアルな場所での生活者の広告体験を含む顧客体験の向上にAR技術がどのように寄与するかを検証し、企業のコミュニケーション活動に貢献するオリジナルソリューションの開発を目的とした商業施設での実証実験を開始した。

 近年、5GやIoTの普及に伴い生活者の生活領域がデジタル方向に大幅に拡張し、スマートフォンを活用したさまざまな新しい買い物体験が普及してきている。それにともない、リアル店舗を拡張するAR空間における新たな情報体験の設計や顧客の受容性を含めた効果測定の方法など、現実世界とは異なるコンテンツ体験の設計とその評価の方法が必要になってきた。

 そうした潮流を受けhakuhodo-XRは、リアルな場所での生活者の顧客体験の向上にAR技術がどのように寄与するかを検証し、企業のコミュニケーション活動に貢献するオリジナルソリューションを開発することを目指し、イオンモールが提供するイオンモールアプリ内のARクラウド機能(イオンモール全体を空間マッピングし、マーカーレスで3Dオブジェクト等を表示する機能)を活用し、「新しい顧客体験創出」の実証実験を開始する運びとなった。仮想空間上に、現実空間には存在しないオブジェクトを設置することで、現実空間ではできない体験を提供していく。

 第1弾として、イオンモール株式会社のTHE OUTLETS KITAKYUSHU(福岡県北九州市)にて開催される、地元の美術系学生や若手アーティストの作品をAR空間上に展示する「アートAR展示会」と、子供たちが作成したぬり絵をAR空間上に展示する「ぬり絵AR体験会」にて、AR技術を駆使した、リアル体験をより豊かにするコンテンツ体験のあり方およびその効果測定方法の検証を行う。

 とくにコンテンツによって顧客からどのようなリアクションが得られるか、およびAR技術によって来館者の滞在時間や回遊性の変化について検証することにより、AR技術を使った受容性の高い顧客体験を提供するソリューション開発を目指す。

 技術提供は日本コンピュータビジョンによるもので、最新の空間コンピューティング技術で店舗やモール全体の3Dマップを制作、屋内・屋外でのマーカーレスARを実現した。コンテンツ配置は専用CMSにて行うため店舗スタッフでも簡単に設置でき、コンテンツの入れ替えなどが今までよりも容易に実現できるようになる。

 なお、この実証実験での「アートAR展示会」は地域密着の観点の元、若者をターゲットとした北九州市の地方創生のための都市ブランド「New U」(ニューユー)とのコラボレーションを予定しており、地元の美術系学生・若手アーティストへの新しい活躍の場の提供および、地域文化の発展を目的としている。

 hakuhodo-XRは今後、この実証実験を皮切りにイオンモールアプリを活用した全国のイオンモールでのARプラットフォーム展開、ならびにその他商業施設等でのARを活用した新しい顧客体験を提供するオリジナルソリューション開発を目指した価値検証を重ね、研究を進めていく。