こんにちは!Cosmowayが組織するデジタルプロダクション「factory4」のUI/UXデザイナー新谷です。
UI/UXデザインを考える際は、視覚的な美しさだけでなく、ユーザーの体験全体に直結する要素が多いため、高品質なビジュアルとその背後にあるコンセプトが求められます。
今回紹介するのは、今やお馴染みとなった「Google ImageFX」と「ChatGPT」というふたつのツール。AI技術を組み合わせることで、従来のデザインワークフローを効率化し、コンテンツ生成と視覚的な補完における新たなアプローチができます。本記事では、生成の仕方からUI/UXデザインにおける実践的な応用方法に焦点を当て、こういったツールの活用法を深掘りしていきます。
1. Googleの「ImageFX」とは

Googleが提供する「ImageFX」は、画像生成をAIで支援するツールであり、とくに違和感の少ないナチュラルな画像生成や、デザインの補完/拡張に優れた能力を持っています。2025年2月現在、Googleアカウントを所有していれば、誰でも無料で利用可能。また、風景やオブジェクト、人物の顔や肌の質感、髪の毛の細部に至るまで、極めて精緻に再現できる能力を持っており、生成される画像は実写と見紛うほどの高品質です。現状、プロンプトの入力は英語でのみ対応しているものの、直感的で使いやすいユーザーインターフェース(UI)とエクスペリエンス(UX)設計により、画像生成の初心者でも難なく操作できるよう配慮されています。

生成モデルの基盤:Diffusion Models(拡散モデル)
ImageFXでは現在、最前線で使用されている拡散モデルを利用しているとのこと。このモデルは、画像をランダムなノイズから開始し、少しずつ構造を整えていくことで最終的に画像を生成します。
- ノイズを追加:最初画像にランダムなノイズを加え、無秩序な状態にします。
- ノイズを除去:モデルは逆方向に進行し、ノイズを取り除くことで、もともと存在する画像に近い状態を再現します。テキストの指示にもとづき、モデルはどのような特徴(色、形、テクスチャ)を追加すべきかを学習します。
- 訓練データセット:このプロセスを繰り返すことにより、AIは生成すべき画像の特徴を学び、最終的に高精度な画像を出力します。
拡散モデルの特徴は、生成過程における計算の柔軟性と制御のしやすさです。つまり、特定のスタイルや構図に強く焦点を当てることができるため、より精緻で芸術的な表現を可能としています。
主な機能
- テキストから画像生成:ユーザーが入力したテキストをもとに、AIがリアルで高品質な画像を生成。
- スタイルカスタマイズ:生成する画像のアートスタイルやテーマを選択可能(例:リアル、イラスト風、35mm filmなど)。
- エクスプレッシブチップス機能:プロンプトで使用した一部のワードはレコメンドされ、さらに関連要素に変換できる(後述します)
- 高解像度出力:商業用途にも耐える高解像度で画像を生成。
- 直感的なUI/UX:簡単な操作で誰でも使いやすく、初心者でも手軽に画像生成が可能。
- 電子透かし機能:SynthIDという電子透かしが入ります。AI生成による透明性と信頼性の確保。
メリット
- 高品質な画像生成:人物や物体のディテールが精緻で、実写に近い画像が得られる。
- 効率的なクリエイティブ作業:短時間で高精度なビジュアルが得られるため、プロジェクトのスピードが向上。
- 無料で利用可能:Googleアカウントさえあれば、誰でも手軽にアクセスでき、コストをかけずに利用できる(2025年2月3日時点)
- 多様な用途に対応:アート、広告、ゲームデザインなど、さまざまなクリエイティブ分野に応用可能。
従来、デザイナーが手動で調整や追加を行う必要があったビジュアル要素(たとえばコンテンツ用の写真や背景画像)の生成を高品質なまま瞬時に行えるため、デザインを効率化しサポートしてくれます。
実際にツールで画像生成してみます
実際に簡単なプロンプト(英語)を打ち込んでみます。UIもシンプルなので入力フォームや、アスペクト比変更などもわかりやすいです。

入力したプロンプトは「Spectacular ocean, sunrise, sunlit rocks」です。「壮大な海で朝日に照らされた岩場」を生成してもらいました。

4パターン生成されたうちのひとつがこの画像。非常にクオリティが高いですね。生成された画像に対して、追加で指示をすることもできます。
ゼロからイメージした画像に近づけるには
理想の画像に近づけるためには、まずプロンプトをできるだけ精緻化することが重要です。具体的な情報を与え、スタイルや雰囲気も追加します。「フィルム写真風」などシーンやスタイルを細かく指定するのも良いでしょう。また、複雑なシーンや構図の場合、要素ごとにわけて明確化し、画像の要素(人物、背景、オブジェクトなど)を分けて記述。不必要な要素が含まれている場合はネガティブプロンプトを使ってそれを排除したりします。試行錯誤を繰り返すことで、AIが提供する画像を自分の求めるイメージに近づけることが可能です。
見本や近づけたいイメージ画像が具体的にある場合
手元に生成したいイメージ素材がある場合は、別の方法で生成することが可能です。そのイメージ素材のプロンプト自体を「GPT」に提案してもらい、それをImageFXに投げて生成してもらいます。具体的なやりかたを、このあと説明していきます。