モリサワは、楽天グループ(以下、楽天)と日本語コーポレートフォント「Rakuten Sans JP」を共同開発した。Rakuten Sans JPは3月より、楽天のコーポレートサイトの一部で使用されている。
楽天は、国内外において、Eコマース、トラベル、デジタルコンテンツなどのインターネットサービス、クレジットカードをはじめ、銀行、証券、電子マネー、スマホアプリ決済といったフィンテック(金融)サービス、携帯キャリア事業などのモバイルサービス、さらにプロスポーツといった多岐にわたる分野で70以上のサービスを提供し、楽天会員を中心とした独自のメンバーシップを有機的に結びつけることで、独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成している。また、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションのもと、ユーザーや社会に向けてさまざまなメッセージを発信してきた。
そのブランド価値の向上を図る一環として、2020年に開発された欧文コーポレートフォント「Rakuten Font」と、モリサワが提供する「UD新ゴNT」の日本語フォントがおもに運用されてきた。そして今回、日本語での情報発信においても、より一層ブランドの統一感を表現するため、日本語コーポレートフォントの開発も行うこととなり、楽天グループの戦略的ブランディングにおいてクリエイティブ面をリードする組織「楽天デザインラボ」とモリサワとの共同開発が実現した。
「Rakuten Sans JP」は、欧文コーポレートフォント「Rakuten Font」のサンセリフ書体である「Rakuten Sans」との親和性を持たせながら、チーフクリエイティブデザイナー佐藤可士和氏の監修のもと、楽天のブランド方針やTone of Voiceを体現するデザインとなっている。これまで使用されてきた「UD新ゴNT」をベースに、欧文エリアを「Rakuten Sans」に合わせ、すべてのかなに独自のデザインを施すことで、オリジナリティとこれまで通りの読みやすさを追求した。
社名である「楽」「天」の漢字2文字の字形も、楽天ブランドのアイデンティティを表現するものとして、細部にこだわって新たにデザインをしている。また、濁点の重なりかたが異なる文字のバリエーションを導入し、使用するシーンによって使い分けを可能にするなど、可読性への配慮と使いやすさを両立した。そのほかの漢字も、想定される使用シーンに合わせてウエイトごとに字面を調整し、カスタマイズしている。
「Rakuten Sans JP」は楽天のコーポレートサイトなどで使用されるほか、その他のサイトや各種アプリ、IR資料などで広く活用される予定。