SDGsを意識して行動している人は1割 「具体的行動がわからない」が半数超/ネオマーケティングら調査

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2021/01/10 05:00

 生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングと、地球環境に貢献しようというプロジェクト「ORGABITS(オーガビッツ)」を展開する豊島は、2020年12月1日(火)~12月2日(水)の2日間、20歳~69歳の男女1000人を対象に、「SDGs達成のための個人での取り組み」をテーマにしたインターネットリサーチを共同で実施した。同調査の主な結果は、次のとおり。

認知は半数を超えるもSDGs意識して行動している人は1割程度に

 SDGsの認知調査では全体で51.9%が「知っている」と回答した一方、「内容を知り、SDGsを意識して行動している」と回答したのはどの年代でも1割程度にとどまる結果に。また、全体の62.6%がSDGsについて具体的に何をしたら良いかわからないと回答しており、SDGsは個人で行動に移すことが難しいとの認識が、SDGs達成は難しいと感じる要因のひとつだと推察される。

購入したもの「エコバッグ」72%、「マイボトル」52%  “ちょっとしたこと”ならできそうだと思う人が9割

 一方でSDGsに関連する項目について「エコバッグ」や「マイボトル」、「オーガニック商品」などは、すでに購入や使用したことがあるという結果に。

 SDGs達成のためにこれらの商品の購入・使用などの“ちょっとしたこと”ならできそうだと「思う」と回答したのは、性別で比較をすると男性は80.0%、女性は91.4%となった。

Q1.「SDGs(エスディージーズ)」を知っているか。(単数回答)【n=1000】

 2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標SDGs。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、認知を調べると計51.9%が「知っている」と回答。ただし「内容を知っており、SDGsを意識して行動している」と回答したのはどの年代でも1割程度という結果になっており、SDGsという言葉の認知はあるものの、内容の理解不足や、内容を知っていても個人では行動に移せてはいない、という実態が明らかになった。

Q2.SDGsを達成するために具体的に何をしたら良いかわからないと感じることがあるか。(単数回答)【n=1000】

 SDGsを達成するために具体的に何をしたら良いかわからないと感じることが「ある」と全体の62.6%が回答。年代で比較をすると、どの年代も半数を超える結果となっており、60代は67.5%ともっとも高い結果になった。

Q3. SDGsを達成することは難しいと思うか。(単数回答)【n=1000】

 SDGsを達成することは難しいと全体の72.5%が回答。年代で比較をすると、40代76.0%、50代は75.0%、60代は79.0%と7割を超える結果になっている。

 前問ではSDGsは個人で行動に移すことが難しいと感じている人が多いことが明らかになったが、SDGs達成についても難しいと思っている人が多いことがわかった。

Q4.購入したことのあるモノ、使用したことのあるモノは何か。(複数回答)【n=1000】

 SDGsに関連する各項目のモノについて、購入したことがあるか、使用したことがあるかを聞いた。その結果、「エコバッグ」が72.0%、「マイボトル」が51.5%、「オーガニック商品」が21.3%、という結果となった。性別で比較をすると、男性は「エコカー」と回答した人が女性より多く、女性は「エコバッグ」、「マイボトル」、「オーガニック商品」、「フェアトレード商品」が男性よりも多い結果だった。

Q5.〈Q4.〉の項目のなかでSDGs達成のためのモノ・取り組みだと思うものをは何か。(複数回答)【n=1000】

 Q4.の項目で、SDGs達成のためのモノ・取り組みだと思うものをたずねた。その結果、もっとも多い回答は「エコバッグ」となり58.2%。実際に「エコバッグ」や第2位の「マイボトル」はSDGsの「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「目標12:つくる責任 つかう責任」、「目標14:海の豊かさを守ろう」、「目標15:陸の豊かさも守ろう」などにアプローチすることができる。また、第3位の「エコカー」は「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「目標11:住み続けられるまちづくりを」などに、フェアトレードは「目標1:貧困をなくそう」、「目標2:飢餓をゼロに」、オーガニック商品は、「目標12:つくる責任 つかう責任」、「目標14:海の豊かさを守ろう」、「目標15:陸の豊かさも守ろう」などにアプローチが可能です。

Q6.前問までのような“ちょっとしたこと”ならば自分もできそうだと思うか。(単数回答)【n=1000】

 前問までのような“ちょっとしたこと”ならば、できそうだと「思う」と回答したのは全体で85.7%となった。性別で比較をすると、男性は80.0%、女性は91.4%だった。

 Q2.では、SDGs達成のために具体的に個人で何をしたら良いかわからないという人が6割を超える結果となった。

Q7.世の中の人それぞれが、普段の生活のなかでSDGsを意識して取り組めそうな“ちょっとしたこと”のアイデアについて。(自由回答)【n=1000】

  • プラスチックのスプーンやフォークの使用を控える。(北海道31歳男性)
  • マイバッグを持ち、レジ袋はもらわない。割り箸はもらわない。フリーザーバッグは洗ってリユースする。もったいない、の意識はSDGsにつながっているように思う。(東京都60歳女性)
  • テレビを消すときは主電源を消す。(茨城県45歳男性)
  • 大学で女性学をやっていたので、「ジェンダー平等を実現しよう」には取り組みたい。男性だから女性だからという考えを取っ払って、お茶くみも、電話取りも、受付もどちらもやろうと思う。(大阪府51歳女性)
  • 手洗い・うがいをするときは水を出しっぱなしにしない。(滋賀県36歳男性)
  • 過剰包装の商品でなく、極力シンプルな包装の商品を買う。(東京都48歳男性)
  • 服や靴、バッグなど安いものをたくさん買い替えるのではなく、少し高くても丈夫なものを長く愛用する。(群馬県27歳男性)
調査概要
  • 調査の方法:ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したウェブアンケート方式で実施
  • 調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~69歳の男女を対象に実施
  • 有効回答数:1000名
  • 調査実施日:2020年12月1日(火)~12月2日(水)の2日間