電通ら5社が「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表

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2023/03/16 07:00

 国内電通グループのデジタル広告領域をけん引するCCI、D2C、電通、電通デジタル、セプテーニ・ホールディングスは、電通が発表した「2022年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、さらに2023年の予測を加えた「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。

 同調査結果の詳細は、次のとおり。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比 検索連動型広告は9,766億円で前年比122.2%に

 2022年のインターネット広告媒体費は、前年比115.0%の2兆4,801億円(電通「2022年 日本の広告費」より)。インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、検索連動型広告が前年比122.2%の9,766億円と増加し、構成比は39.4%となった。ビデオ(動画)広告は前年比115.4%の5,920億円、構成比は23.9%となった。

広告種別の定義

  • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告
  • 検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告
  • ディスプレイ広告:サイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告
  • ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告
  • その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告。メール広告、オーディオ(音声)広告、タイアップ広告などを含む
インターネット広告媒体費の広告種別構成比
インターネット広告媒体費の広告種別構成比

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比 運用型広告は2兆1,189億円、推定開始以降はじめて2兆円を突破

 インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比115.3%の2兆1,189億円と推定開始以降はじめて2兆円を突破し、インターネット広告媒体費に占める構成比は85.4%となった。予約型広告は前年比117.7%、成果報酬型広告は前年比102.7%といずれも成長した。

取引手法の定義

  • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告
  • 運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引される広告
  • 予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接、広告主に販売された広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引される広告
インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比 ビデオ(動画)広告は予約型が前年比117.4%、運用型が前年比115.1%といずれも伸長

 広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体の39.4%ともっとも構成比が大きく、次いで運用型のディスプレイ広告が26.0%、運用型のビデオ(動画)広告が19.9%と続いている。ビデオ(動画)広告は予約型が前年比117.4%、運用型も前年比115.1%といずれも伸長した。

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比
インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

ビデオ(動画)広告市場 インストリーム広告が3,456億円に達し、ビデオ(動画)広告全体の58.4%に

 ビデオ(動画)広告のうち、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告は3,456億円(構成比58.4%)で、ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告は2,463億円(構成比41.6%)となった。また、取引手法別では運用型広告が83.4%を占めた。

ビデオ(動画)広告の定義

  • 動画ファイル形式(映像・音声)の広告。次のようなものを含む。
  • インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告。
  • アウトストリーム広告:ディスプレイ広告枠などの動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告。ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面で表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含む。
ビデオ(動画)広告の広告種類別構成比
ビデオ(動画)広告の広告種類別構成比
ビデオ(動画)広告の取引手法別構成比
ビデオ(動画)広告の取引手法別構成比

ソーシャル広告市場 ソーシャル広告は前年比112.5%の8,595億円、SNS系と動画共有系を合わせて78.3%に

 ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は前年比112.5%の8,595億円で、インターネット広告媒体費全体の34.7%となった。ソーシャル広告以外が前年比116.3%と伸長したためソーシャル広告の構成比は微減となった。

 ソーシャルメディアを種類別にSNS系、動画共有系、その他に分類すると、SNS系が3,675億円(構成比42.8%)、動画共有系が3,052億円(構成比35.5%)となり、合わせて78.3%を占める。

ソーシャル広告の定義

ソーシャルメディアのサービス上で展開される広告

ソーシャルメディア例

SNS/ブログサービス/ミニ(マイクロ)ブログ/動画共有サイト/ソーシャルブックマーク/電子掲示板など

ソーシャル種別の定義

SNS系はSNSプラットフォーム(動画共有系を除く)、動画共有系はユーザー投稿型動画共有サイト、その他はブログや電子掲示板など

ソーシャル広告の構成比推移
ソーシャル広告の構成比推移
ソーシャル広告の広告種類別構成比
ソーシャル広告の広告種類別構成比

インターネット広告媒体費総額の推移(予測) 2023年のインターネット広告媒体費は、2兆7,908億円まで増加見込み

 2023年のインターネット広告媒体費も堅調に推移し、前年比112.5%の2兆7,908億円まで増加すると予測する。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

ビデオ(動画)広告市場の推移(予測) ビデオ(動画)広告は2023年には6,852億円まで成長する見込み

 2023年のビデオ(動画)広告は前年比115.7%と引き続き高い成長率を維持し、6,852億円まで増加すると予測。そのなかでもインストリーム広告は前年比119.5%の成長を見込む。

ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)
ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)
調査概要
  • 調査主体:CARTA COMMUNICATIONS(CCI)/D2C/電通/電通デジタル/セプテーニ・ホールディングス
  • 調査時期:2022年12月~2023年2月
  • 調査方法:次の調査に基づき、推定作業を実施
  1. インターネット広告媒体社やプラットフォーマーなどを対象としたアンケート調査(ウェブ調査)
  2. 「2022年(令和4年) 日本の広告費 インターネット広告媒体売上についてのお伺い」 として実施
  3. 同、追加ヒアリング調査
  4. 各種データ収集・分析