独ライカカメラ、次世代フルサイズミラーレスシステムカメラ「ライカSL3」を発売

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2024/03/12 06:30

 ライカカメラ社(以下、ライカ)は、写真と映像の両方を撮影できるフルサイズミラーレスシステムとして「ライカSLシステム」を2015年に発表した。開発当初からユーザーやコミュニティとの共創にも精力的に取り組み、よりよい製品の開発に努めてきた。その結果、描写性能、光学系とメカニズム、操作性においてユーザーからの高い要求に応えるカメラ「ライカSL」が誕生。そして今回、次世代フルサイズミラーレスシステムカメラとなる新機種「ライカSL3」が登場する。

 これまでもプロフェッショナルからの厳しい要望が製品開発におけるベンチマークでありインスピレーションであったが、「ライカSL3」においても同様であった。要望を反映させた結果、幅広い用途やシーンに柔軟に対応しながら写真・動画双方においてさらに卓越したイメージクオリティを実現するカメラが完成した。高精度な光学系とメカニズム、最先端のテクノロジーが洗練されたデザインのボディに凝縮され、従来の機種よりも軽量かつコンパクトでユーザーフレンドリーなカメラとして完成へと導かれている。「ライカSL3」の新機能は、絶えず変化するフォトグラフィーの世界において経験を重ね、培われてきたプロフェッショナルとの継続的な対話を通じて導入された。

 「ライカSL3」の中核を担うのは、トリプルレゾリューション技術を搭載した35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサー。この撮像素子をしっかりと保護するのが、エレガントなレザーの外装をまとった堅牢なフルメタルボディ。写真撮影では記録形式のDNG(RAW)およびJPEG両方において記録画素数を6,000万/3,600万/1,800万画素から選ぶことができ、幅広い用途に対応可能。いずれの記録画素数を選んでも撮像素子の全域を使用して撮影するのも特徴。ダイナミックレンジは15ストップと広く、ISO感度も50〜100,000という広い感度域で、あらゆる光の状況下においてディテールに至るまで高精細かつ高画質な描写性能を発揮する。

 オートフォーカス機能では、位相差検出(PDAF)、デプスマップ(物体認識AF)、コントラスト検出(コントラストAF)の3つの検出方式を採用している。これらのメリットを組み合わせた革新的なオートフォーカスシステムにより、光量が十分ではないシーンでもくっきりとシャープに撮影することができる。また、インテリジェント被写体検出機能が動きのあるシーンでの撮影をサポートする。

 レンズマウントは、ライカが開発した規格のLマウント。ライカのLマウントレンズ以外にも、Lマウントアライアンスに参加する各社の高性能レンズも使用可能。優れたレンズの互換性により、超広角から超望遠まで、バラエティー豊かなレンズを活用できる。また、定評のあるライカMレンズも使用可能で、Mレンズでの撮影にも適した特殊な設計の撮像素子により、その卓越した描写性能を最大限に引き出す。ボディ内には手ブレ補正も内蔵し、Mレンズのポテンシャルを高く発揮することができる。

 ファインダーにはEyeResファインダーを採用している。その光学系はガラスレンズを用いて精巧に作られ、576万ドットの高解像度と120fpsの高フレームレートにより、常に被写体がクリアかつなめらかに表示される。また、露出プレビュー機能を使うことにより、どのような露出と構図で撮影できるかを事前に確認できる。背面には、高度な可動メカニズムを採用したチルト式の高精細3.2型タッチパネル液晶モニターを新たに搭載し、新たなアングルでの撮影を可能にすることで、さらにクリエイティブな表現を追求できる。

 動画撮影においては、高精細な8K動画が撮影可能で、きわめて効率的なH.265やApple ProResなどのコーデックに対応している。また、タイムコード用インターフェースも装備し、現場で映像や音声の同期においてプロフェッショナルレベルの作業にも対応する。動画撮影におけるプロセス全体をサポートするのが、「L² Technology(エルスクエア・テクノロジー)」を搭載した画像処理エンジン「LEICA MAESTRO IV(ライカ・マエストロ・フォー)」。新たに採用された画像処理エンジンにより、膨大な量の情報をスピーディに処理し、きわめて優れた低ノイズ性能と色再現性によって高画質な描写を実現する。

 ユーザーインターフェースも刷新された。エルゴノミクスや質感、メニューの操作性など、プロダクトデザインにおいてはユーザーの快適さを念頭に、グリップの形状やボタン類のレイアウトはより直感的に操作できるように設計されている。メニュー全体の構成やアイコンもよりわかりやすく洗練されている。また、写真撮影のメニュー項目はレッド、動画撮影のメニュー項目はイエローと、表示をカラー分けすることで撮影中に区別がつきやすくなった。

 好みや撮影スタイルに合わせておもな機能を使いやすくカスタマイズできるのも特徴のひとつ。よく使う機能をFNボタンに割り当てておけば、撮影時に素早く呼び出すことができる。メニューもタッチ操作で、より直感的かつ快適に扱うことが可能。また、カメラを構える向きに合わせて液晶モニター上のユーザーインターフェースも自動的に縦表示・横表示に切り換わるなど操作性も向上した。エルゴノミクスデザインのボディは扱いやすく、堅牢性にも優れ、IP54相当の防塵・防滴性能を確保している。そのため、過酷な環境下や悪天候下でもより撮影に集中することができる。また、従来機種に比べて軽量・コンパクトになったことで、より快適な操作性を実現した。

 ライカの製品は購入後も継続的に新たなユーザー体験を提供する。定期的にアップデートされるファームウェアを通じて、ユーザーからの貴重なフィードバックに基づく機能向上や動作改善が行われる予定。ファームウェアのアップデートはライカ専用アプリ「Leica FOTOS」を使って行える。カメラを常にベストな状態で維持し、将来的にも最新機能を活用することができるのも、ライカ製品の特長。

 インターフェースの刷新とともに、外部機器との接続性も向上しており、プロフェッショナルレベルのワークフローをシームレスに行うことができる。インターフェースとしては、CFexpress Type Bメモリーカード用スロット、SDメモリーカード(UHS-II)用スロット、USB Type-C端子(高速データ転送、テザー撮影、充電用)、フルサイズのHDMI 2.1端子(外部モニターや外部記録メディアとの接続用)を装備している。また、Bluetooth接続とMIMO技術を利用したWi-Fi接続により、アプリ「Leica FOTOS」との高速かつ安定した接続が可能となっている。さらに、「ライカSL3」は「Made for iPhone」「Made for iPad」としてApple社の認定を受けており、付属のUSB Type-Cケーブルを使用してiPhoneやiPadとの直接接続が可能。

 バッテリーは、「BP-SCL6」が新たに採用されている。また、別売アクセサリーとして、2個のバッテリーを同時に急速充電できるデュアルバッテリーチャージャーも登場する。スペアバッテリーや、デュアルバッテリーチャージャーとスペアバッテリーのセットも用意している。さらに、ライカSLシステム専用アクセサリーとして、新しいハンドグリップとDCカプラーがお目見え。DCカプラーをカメラ本体のバッテリースロットに入れることで、USB Type-C接続で給電することが可能になる。そのほかにも、画期的な取り付け方法を取り入れた新しいキャリングストラップと、耐久性に優れたハンドグリップ用のリストストラップも、プロフェッショナルレベルの撮影をサポートする専用アクセサリーとして新たに登場する予定。

 プロフェッショナルとの緊密なパートナーシップを通じて、ライカSLシステムを新たなレベルへと進化させて誕生した「ライカSL3」──最適化されたデザイン、効率的なユーザーインターフェース、そして互換性に優れたLマウントを特長とし、直感的な操作性と卓越した描写性能を発揮する最先端のフルサイズミラーレスシステムカメラ。“Made in Germany”にふさわしく精緻で高品質な素材を用いた堅牢なボディは、写真・動画撮影の双方において過酷な環境下でも性能を発揮すると同時に、快適な操作性を実現している。より充実したインターフェース、接続性の向上、そして利便性をサポートするアクセサリーにより、プロフェッショナルレベルのワークフローもシームレスに行うことができる。

 「ライカSL3」はライカストア、ライカオンラインストア、ライカブティックおよびライカ正規特約店にて2024年3月16日(土)発売予定。