アドビ、企業のコンテンツ制作とプロダクションを加速する「Adobe Firefly Services」と「Custom Models」発表

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2024/03/28 06:00
  • Adobe Fireflyによる生成AIの新機能により、企業はコンテンツ制作を自動化しながら、ブランドに沿ってカスタマイズし、大規模なパーソナライゼーションを実現
  • 「Adobe Firefly Services」は、 APIを介したワークフローの自動化によって、企業に品質を維持し統制の取れたコンテンツ制作の自動化を提供
  • 「Custom Models」により、企業はIP、製品、ブランドのスタイルに基づいて、安全に商用利用できる生成AIモデルをカスタマイズしてトレーニング可能。ローカリゼーションやeコマースのマーチャンダイジング、組織を横断したブランドの一貫性の維持を実現

 アドビは、年次のデジタルエクスペリエンスカンファレンスであるAdobe Summitにおいて企業がコンテンツ制作およびプロデュースする方法を刷新し、大規模なパーソナライゼーションを実現する「Adobe Firefly Services」と「Custom Models」を発表した。

 Adobe Firefly Servicesを使用すると、企業は20以上のジェネレーティブでクリエイティブなAPI、ツール、サービスにアクセスすることができる。クリエイティブチームが行っている手作業や反復作業を省き、さまざまなチャネル向けのアセットサイズの変更から、マーチャンダイジングやeコマース向けの背景の生成と拡張、ローカリゼーションにおける風景や言語の置き換えまで、ローカリゼーションやパーソナライゼーションの取り組みを強化することができる。これらの機能は、Adobe Creative Cloudアプリケーションに組み込まれており、あらゆる制作ワークフローやエクスペリエンスワークフローに深く統合して、アセットバリエーションの制作を拡張することもできる。

 Custom Modelsにより、企業はモデルをトレーニングし、カスタマイズすることができる。Custom Modelsはトレーニングやメンテナンスが簡単で、企業全体で共有できるため、クリエイティブチームやマーケティングチーム間でのブランドの一貫性をサポートする。Adobe Fireflyモデルを微調整することで、キャンペーンスタイルや背景からオブジェクト、キャラクター、被写体まで、自社の製品やブランドに特化したコンテンツを生成することができる。

 アドビ デジタルメディア事業部門代表のデイビッド ワドワーニ(David Wadhwani)氏は、次のように述べている。「生成AI主導のパーソナライゼーションに寄せられる消費者の期待が高まり続ける中、Adobe Firefly ServicesとCustom Modelsは、企業に強力なカスタマイズ機能を与え、自動化プロセスの自由度を高める、これまでにない製品です。生成AIへの投資を試用段階から本番運用へとシフトさせるため、企業はアドビに注目しています」

 IBM Consultingのグローバル チーフデザイン オフィサーであるビリー シーブルック(Billy Seabrook)氏は、次のように述べている。「より良い顧客体験に対する期待の高まりは、企業におけるマーケティングコンテンツの大規模な制作とパーソナライゼーションへのアプローチの再考を迫っています。アドビのアプリケーションは、私たちの制作プロセスの中核を担ってきました。そして今、生成AIであるAdobe Fireflyにより、ブランドに沿った画像やテンプレートを多様なスタイルやサイズで迅速に生成することが可能となり、より多くの人が製作過程に参加できるようになりました」

クリエイティブチームとマーケティングチームをつなぐ

 Adobe Firefly Servicesを利用することで、企業はAdobe Fireflyモデルだけでなく、20以上のジェネレーティブおよびCreative Cloud APIを既存のプロダクションおよびエクスペリエンスワークフロー内で活用し、さまざまなアセットのバリエーションを作成することができる。チームは新しいコンテンツを生成し、サイズ変更、オブジェクトや背景の置き換えなど、必要な編集をすべて行った後、コンテンツを完成したアセットに組み立て、配信準備を整えることができる。 Adobe Firefly Servicesの導入により、クリエイティブチームはさまざまなオーディエンスセグメントやマーケット、配信チャネルそれぞれに特化したカスタムアセットを配信できるため、マーケティングチームが担当する大規模なパーソナライゼーションをより効果的にサポートできる。

 今回一般提供が開始されたCustom Modelsを使うことで、企業はブランドに沿ったオブジェクト、背景、スタイルなどを生成することができる。アドビの生成AIモデルを独自のアセット(10~20枚の画像)でチューニングすることで、ニーズに合わせてAdobe Fireflyを即座に最適化することができる。また、厳格なガバナンスとセキュリティ管理により、企業のコンテンツ、データ、ワークフローを組織内に留める。