SBクラウドは、スクウェア・エニックスと、機械学習を活用した共同研究を実施したことを発表した。
同研究は、スクウェア・エニックスが提供するスマートフォン向けデジタルカードゲーム『ドラゴンクエストライバルズ』において、ユーザーのゲーム内の行動ログデータを分析することで、コンピューター対戦のバランス調整の精度を向上させることを目的に行われた。同研究においてSBクラウドは、機械学習のシステム基盤として、GPUを搭載した仮想サーバーサービス「Elastic Compute Service(ECS)」と、ビッグデータ処理プラットフォーム「MaxCompute」を提供している。
カードゲームのコンピューター対戦において、これに特化した強力なAIの実装を想定する場合、AIが対戦相手(ユーザー)の行動を予想して最適なカードを選択するには、まずは対戦相手のデッキ(プレイヤーがゲームをするために用意するカードのセット)を予測する必要がある。デッキの予測にはデータの分析がともない、ゲームの運営には膨大な量のデータが取り扱われるため、適切な分析手法の選定と、データを高速に処理できる環境を用意することが重要となる。
そこで両社は、機械学習に最適なAlibaba Cloudのプロダクトを活用し、『ドラゴンクエストライバルズ』のデータ分析を行う共同研究を実施。過去に収集したユーザーのゲーム内の行動ログデータを機械学習を用いて分析し、流行しているデッキやカード、どの行動が勝利に貢献したかなどの推論を行った。
データ分析の結果、カードごとの利用状況(カードの利用率や組み合わせ率、使用されるタイミングなど)を可視化することに成功。今後は、この結果をもとにカードの組み合わせを改善することで、コンピューター対戦のバランス調整の精度向上への活用が期待される。
なお、『ドラゴンクエストライバルズ』は2020年8月にリニューアルされ、現在は『ドラゴンクエストライバルズ エース』として配信中。同研究はリニューアル前に実施したもので、現在『ドラゴンクエストライバルズ エース』に実装されているAIとは異なる。