凸版印刷と米FIGUR8 Inc.は、個人の人体情報を活用したサービスの開発に向けて2020年2月より協業。今回両社は、新型コロナウイルスなどの影響により需要が高まるオンラインフィットネス業界向けに、筋骨格センサーを活用し、個人の身体動作の客観的定量データを高精度、短時間で計測・取得・分析し、計測データに基づいたトレーニング指導を提供する実証実験を実施した。
両社は、FIGUR8社が開発した筋骨格センサーおよび身体動作分析プラットフォームを活用するとともに、マンツーマンボディメンテナンスサービス「Co-nect」を運営するGOB Incubation Partnersと連携し、身体動作の客観的定量データに基づいたオンラインフィットネスの実証実験を実施した。計測データに基づく被験者に最適なトレーニングにより、トレーナーと被験者の両者にとって、安心感や納得感がありモチベーション高くトレーニングに臨めるようになるという。さらに被験者の機能改善に起因した客観的定量データ（KPI：バランス、安定性、柔軟性）の変化を可視化することが可能となった。
実証実験の概要と成果
FIGUR8社が開発した筋骨格センサーおよび身体動作分析プラットフォームを活用。トレーナーのトレーニング指導の前後で被験者の身体動作の客観的定量データを精度良く、短時間（約10分）で計測し、トレーニングの期間中の被験者の身体動作データを取得・分析。また、GOB Incubation Partnersと連携し、計測データに基づいたトレーニング指導を提供した。
- 実施期間：2020年6月1日～2020年8月31日
- 実施頻度：2回/1週間
- 被験者数：3人
- トータル測定数：72
- 実施場所：被験者自宅
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各社の役割
-凸版印刷：身体動作の客観的定量データの計測・取得・分析
-FIGUR8社：筋骨格センサーの開発および身体動作分析プラットフォーム運用
-GOB Incubation Partners：計測データに基づいたトレーニング指導の提供
結果として、身体動作の客観的定量的データに基づくKPI（バランス、安定性、柔軟性）の数値が改善。機能改善の観点では、60代男性において次のような改善が見られた。
- 腰の違和感が無くなる。
- 片足スクワットができるようになる。
- 片足で靴下を履けるようになる。
- 力みなく柔軟な動作をすることができるようになる
また、トレーナーと被験者の両者で安心感・納得感やモチベーションが醸成された。
- 身体動作の客観的定量データ：動作中の姿勢およびハムストリングスと大腿四頭筋の筋収縮データの前後および左右バランス
- 身体動作：両足スクワット、片足スクワット
- 身体動作の客観的定量データ：①スクワット動作中の膝と腰の角度②スクワット動作中の筋収縮データ
FIGUR8社の筋骨格センサー/身体動作分析プラットフォーム/被験者の客観的定量データ：KPI変化
両社は今後、同実証実験の成果を基に、ボディーワーカーやトレーナー、理学療法士、整形外科医、アスリートやパートナー企業と協力し、フィットネス、リハビリ、スポーツ産業向けに2022年度内のサービス販売を目指していくという。さらに今後、身体動作解析に関わるデータの収集および利活用をしていく仕組みを構築していく予定とのこと。
