レオパレス21がIT技術「eKYC」導入、駐車場契約時の本人確認手続きを簡略化 非対面取引推進にも

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2021/03/20 06:00

 レオパレス21は、不動産業とITを融合させる「不動産テック」推進の一環として、先端技術「eKYC(イー・ケーワイシー/オンラインでの本人確認)」を賃貸住宅管理業に導入した。これにより駐車場契約の手続きが簡略化され、主に法人顧客の利便性向上と、繁忙期における従業員の生産性向上を同時に実現。さらに非対面取引の推進による感染症対策にも貢献する。

 同社は、全国約57万室の賃貸物件(部屋)に加え、物件敷地内外に約33万台分の駐車場を管理。「部屋契約」の半数以上は企業・学校・病院などの法人が契約をしている。

 法人契約された部屋は主に寮・社宅として扱われる一方、駐車場は要否に個人差があることから、「駐車場契約」の多くは個人名義で契約しているという実態がある。駐車場の個人契約には本人確認書類の提出や本人確認のための面談が必要となるため、法人顧客の入居者にとって煩雑な手続きが負担となっていた。

 そこで同社では2021年1月から「駐車場契約」における本人確認書類のアップロードの受付とウェブ面談による審査を開始。さらに同年3月からは、ショーケースが開発・提供するオンライン本人確認ツール「ProTech ID Checker」を導入した。これにより、顧客がスマートフォンなどで、「運転免許証などの本人確認書類」と「本人容貌」を、画面の指示に沿った手順で撮影するだけで、本人確認書類が顧客の手元に実在することを確認することができ、さらに「本人確認書類の画像」と「本人容貌画像」を自動識別した類似率を算出させることが可能となった。

 eKYCは、金融機関の口座開設時の本人確認でも採用される先端技術。同ツールの自動識別で算出された高い類似率の入居者に対し、同社が「面談が不要」と認証することで、顧客の来店などの手間を省くことができる。また、繁忙期における従業員の生産性向上や、非対面取引の推進による感染症対策にも高い効果が期待できる。なお、自動化はあくまで識別(類似率の算出)までとし、本人確認の認証判定はヒトが担うことで、従来通りの安全水準を維持しているとのこと。

 現在は「駐車場契約」に限定した運用を行っているが、今後は「部屋契約」における本人確認への適用も視野に入れた実証検証を行っていく。