サイバーエージェント、CG研究専門組織新設 CG研究強化し深層学習に基づいた写実的人体表現実現へ

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2021/10/20 05:00

 サイバーエージェントは、AI技術の研究開発組織「AI Lab」において、深層学習に基づいた写実的な人体表現の生成実現を目的に、CG研究専門組織「デジタルヒューマン研究センター」を2021年10月に新設し、技術顧問に早稲田大学 理工学術院教授の森島繁生氏が就任したことを発表した。

 昨今、人間と同じ姿で人の動きを再現するCGアバターであるデジタルヒューマンは世界中で活用されており、人間本来の活動に加え、新たな表現を可能にする手段として注目されている。

 コロナ禍において加速したオンライン化とともに、広告やエンタメのみならず接客・教育現場など様々な分野においてもデジタルヒューマンの需要が高まっており、制作スピードと品質の向上を目指すことで、活用の場を迅速に拡大することが期待されている。

 同社はこれまでも、フォトグラメトリー技術やCG制作を強みとする「CyberHuman Productions」を設立し、著名人の公式3DCGモデルを制作・デジタル空間上での芸能人の活動をサポートするサービス「デジタルツインレーベル」を提供するなど、CG技術を活用したサービスの提供に取り組んできた。

 また、サービスの根幹となるコア技術においては、「AI Lab」で深層学習を用いた3DCGモデル生成の研究をすすめており、1枚の画像からCG制作に適した3DCGモデルを生成する研究や、これを実現するための高機能な独自の3D Morphable Modelを構築するなど、積極的な学術貢献を行ってきた。

 今回、深層学習に基づいたさらなる「写実的な人体表現」の生成実現に向け、新たに「AI Lab」において、CGに特化した研究組織として「デジタルヒューマン研究センター」を新設。

 深層学習によってモデリングやライティングのみならず、モーションやエフェクトまで幅広く研究対象を広げることで、制作スピードの向上を目指すとともに、人物の多様な動きを自動生成し高精細なデジタルヒューマンを生み出すべく、研究強化に努めていく。

 現実の人間と比べ違和感のないCGモデルを作ることで、広告やテレビ・CMなど映像における活用をはじめ、オンライン接客など様々な事業に技術を展開し、人間が稼働をすることなく、あらゆる場面でデジタルヒューマンが活躍できる世界の実現を目指すとのこと。

研究強化分野

画像・映像生成/三次元計測/質感計測/モデリング/リギング/アニメーション/モーション生成/レンダリング/リップシンク…など

 「デジタルヒューマン研究センター」の技術顧問に就任した森島氏は、コンピュータグラフィックスの研究分野で国内外から高い評価を受けており、写実的な人体表現において森島氏がこれまで研究してきた知見を活かし、より一層の技術の向上を図っていく。