インテルは、メタバース分野の強化として、持続的で没入感のあるインターネットへの接続に向けた取り組みについて発表した。
現在、コンピューティングは大きな転換期を迎えようとしている。具体的には、持続的で没入感のあるコンピューティングの大規模な実現などである。また、VRやARのディスプレイは近年急速に進化し、リッチで没入感のある体験を実現している。
パンデミックにより、多くの人が、コミュニケーション、コラボレーション、学習、そして生活を維持するための唯一の手段として、デジタル技術に頼らざるを得なくなった。分散型デジタルファイナンス技術の爆発的な普及により、誰もがこれらの分野でメタバースを作る役割を担えるビジネスモデルが生まれている。
そのためには、超広帯域かつ超低遅延でのデータ転送やリアル要素とシミュレーション要素の両方を含んだ環境の永続化モデルの維持などが必要となるが、現在のコンピューティング、ストレージ、ネットワークのインフラでは、このビジョンを実現するには不十分となっている。
数桁以上の性能の強力なコンピューティング能力を、より低い遅延でさまざまなデバイスのフォームファクターから利用できるようにする必要があるが、このような能力を大規模に実現するためには、インターネットの接続全体を大幅にアップグレードする必要がある。そこで同社は、メタバースのための基本要素を次の3つの層に集約し、それぞれの重要分野を重点的に取り組んできた。
メタ・インテリジェンス層
開発者が複雑なアプリケーションをより容易に展開できるようにするため、統一されたプログラミングモデルとオープンなソフトウェア開発ツールやライブラリに焦点を当てている。
メタ・オプス層
ユーザーがローカルで利用できる以上の計算能力を提供するインフラ層。
メタ・コンピュート層
メタバース体験を実現するために必要な馬力を提供する。
同社の提供するインテルCore プロセッサーは、特にシングルスレッド性能に優れ、これまで最高のゲーム体験を提供してきた。クラウドやデータセンターでは、インテル Xeon プロセッサーは、トランザクションの待ち時間を最小限に抑え、最大のスループットを実現するように最適化。また、インテルのエッジ・プロセッサー、インフラストラクチャー・プロセッシング・ユニット(IPU)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、5Gソリューションは、大規模な分散コンピューティングのメタバースにとって重要となる、クラウドとエッジのギャップを埋める。
ゲームやクリエイター向けのインテル Arc Alchemist GPUや、ハイパフォーマンス・コンピューティングとバーチャライゼーションを加速するPonte Vecchioなどがあり、いずれも来年発売予定とのこと。これらの製品以外にも、クライアント向けやエッジからクラウドに至るまで、高性能XPUの多世代にわたるロードマップを用意しており、今後5年間でゼタスケール・コンピューティングに向けて取り組む。
また、真に持続的で没入感のあるコンピューティングを、大規模かつ何十億人もの人間がリアルタイムで利用できるようにするには、コンピューティングの計算効率を現在の1,000倍に向上させる必要があり、これを実現するために、トランジスター、パッケージング、メモリー、インターコネクトなど、さまざまな技術が開発されているという。