日本エイサー、裸眼3D立体視を実現したノートパソコンを法人市場に向けて受注販売開始

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2022/04/10 12:00

 日本エイサーは、同社初となる裸眼での3D立体視を実現する没入型体験 SpatialLabs(スぺイシャルラボ)テクノロジーを搭載した、クリエイター向けブランドConceptDのノートパソコンConceptD 7 SpatialLabs Edition「CN715-73G-SL76Z」の受注生産での販売を開始した。同製品は法人市場に向けて販売される。

 3Dコンテンツの活用は近年急速に発展しており、映画やアニメーション業界、車や部品などの製品デザインや教育現場などさまざまな場面で3D新技術の導入が進んでいる。今回取り扱いをスタートするConceptD 7 SpatialLabs Editionは、目と顔の位置と動きを認識するアイトラッキング技術、3D表示を可能にするディスプレイ、3Dクリエイターの制作フローを大きく効率化させるリアルタイムレンダリング技術、2Dコンテンツを3Dへ変換するAI技術を組み合わせることで、裸眼による3D立体視を実現。3DメガネやVRゴーグルを使わず、ノートパソコンひとつで裸眼3D体験を可能にした。同製品は、クリエイターやデザイナーによる3Dコンテンツのデザイン現場、医療、研究、教育現場、さらにはショールーム、美術館など、日本におけるさまざまなシーンでの3Dコンテンツのさらなる活用を後押しする。

裸眼3D立体視を実現するテクノロジー

アイトラッキング技術

ウェブカメラの両脇に専用カメラを搭載。目と顔の動きを認識してトラッキングする。

3D表示可能ディスプレイ

ディスプレイ表面に光学レンズを接着。左右の目に見せるイメージセットを作成し、ディスプレイと光学レンズを通じて表示させることにより、3D表示を実現する。2Dモードと3Dモードの切り替えも可能。

リアルタイムレンダリング技術

3Dコンテンツをリアルタイムにレビュー、レンダリングすることで、デザインの制作フローを効率化する。

AI技術

2D画像や映像を3Dに自動変換するAI技術搭載。

 さらに、同製品は裸眼3D体験に必要なアプリケーションを各種標準搭載している。3Dアプリ管理ツールであるSpatialLabs Experience Center(SpatialLabsエクスペリエンスセンター)内で次の3つのアプリを提供している。

SpatialLabs Model Viewer

 主要な3D形式のファイルをインポートし、立体3Dで表示するアプリ。アイトラッキング技術と専用カメラがユーザーの顔と目の位置情報を捉え、表示された3Dモデルに組み込まれる。SpatialLabs Model Viewerのアドオンは、Autodesk 3DS MAX、Blenderなどの主要な3Dソフトウェアで使用でき、これらのアプリケーションで作成されたファイルをワンクリックでSpatialLabs Model Viewer に転送することができる。

SpatialLabs Go

 BlenderおよびMAYA(PiStage)の3Dソフトウェアを使用し、リアルタイムレンダリング技術により、2Dで編集をし、立体3Dでリアルタイムに表示をするアプリ。ユーザーは外付けの2Dモニター上でコンテンツを作成または編集し、立体3Dで変更点をリアルタイムにConceptD 7 SpatialLabs Editionで表示することができる。

 さらに、2DコンテンツをAI技術により疑似的に3Dレンダリング(サイドバイサイド方式へ変換)をし、3D表示をする機能も搭載。写真や画像だけでなく、ビデオ動画やビデオゲームなど、さまざまなフルスクリーン2Dコンテンツを疑似的に3Dで表示する。

SpatialLabs Player

 右目用と左目用の映像を左右に並べたサイドバイサイド方式のビデオを、立体3D表示するプレーヤーアプリ。

 また、高度かつ複雑なクリエイティブな作業をサポートするため、CPUは第11世代インテルCoreTM i7プロセッサー、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTXTM 3080を搭載。OSはWindows 11 Pro。

 さらに、64GBのDDR4メモリと、NVMe PCIe SSDによる最大1TBのストレージで、スムーズな制作フローとマルチタスクの高速化を実現する。

 また、高解像度の15.6インチ4KUHDディスプレイは、IPSパネル搭載で、高精細で鮮明な映像を映し出す。映像やグラフィックの現場で欠かせない精緻な色表現にもこだわり、PANTONE認定済みの忠実な色再現、デルタE2未満の正確な色精度、Adobe RGB比100%の色域で、プロに必要な色再現性を提供する。

 さらに、クリエイティブな作業の集中力を持続するための静音性にもこだわり、Acer独自の冷却ファンである第4世代AeroBlade 3Dファンと独自の冷却テクノロジーを組み合わせて搭載。生体工学に基づき、静かで高速に飛行できるフクロウの羽からヒントを得て作られた59枚のブレードからなるAeroBlade 3Dファンが、効率的に動作することで、騒音レベル40dBA未満の静音性能と、高い冷却性能を両立する。

 加えて、SpatialLabsは、プログラムの実行に必要な補助的なライブラリやエンジンであるAcer独自のAcer XR Runtimeを使い3D制作プラットフォームであるUnreal Engineに対応。さまざまな事例に対応したUnrealプロジェクトを開発し、それらを立体3Dで表現することができる。

 また、インターフェースはThunderboltTM 4対応のUSB 3.2 Type Cポート、USB 3.2 Type Aポートふたつ、HDMI出力ポート、DisplayPort出力ポート、有線LANポートと充実している。