パッケージデザイン開発とマーケティング・リサーチを行うプラグは、同社が提供するパッケージデザイン評価サービス「パッケージデザインAI」が、味の素の新商品「マッケンチーズ」のデザイン開発に導入されたことを発表した。
味の素社ではネットショッピング限定の新商品開発を進めるなかで、デザイン開発の期間とコストを削減するため新たな手法を探しており、パッケージデザインAIを導入した。従来、デザイン開発に2ヵ月ほどの期間と数百万円のコストをかけていたが、同AIを使うと低価格で瞬時にできることが評価された。同導入によって、デザイン開発期間が半分で完了することを実現した。
「マッケンチーズ」の売上は計画比150%(2021年11月発売11~3月の5ヵ月)と好調。2022年度は、当初計画の110%、前年比250%(2021年度着地数量をベースとして)の販売を見込んでいるとのこと。
「パッケージデザインAI」とは
1,020万人の消費者調査の結果を学習データに使い、東京大学と共同研究したシステム。ふたつのメニューがあり、消費者がデザインをどのように評価するかをAIが予測する「評価AI」と、デザイン生成と評価を繰り返し行い1時間で1,000のデザイン案を生み出す「生成AI」がある。今回、味の素社では「評価AI」を活用した。
AIを使って9のデザイン案を2案に絞り込む
デザイン開発の過程において、同AIを2度活用。1回めでデザイン9案を2案に絞りこみ、デザインの修正の方向性を決定。2回めで修正前の案に比べ、好意度やイメージワードが向上していることを確認し、最終デザインが決定された。
1回目
方向性の異なる9つのデザイン案をAIにかけ、好意度とバラつき、イメージワードの結果を確認。AI評価と同時に社内の担当者にアンケートも実施し、2案に絞った。同商品はネットショッピング限定の商品であるため、スマホ画面で見ても「おいしさ」と「高級感・上質感」が伝わることを重視。AIの結果をもとに、2案をよりおいしさが伝わるシズルに変更したり、高級感がでる背景色を変更するなどのデザイン修正が行われた。
2回め
修正案が修正前のデザインに比べ、好意度やおいしそう、高級感・上質感などのイメージワードのスコアが向上したことを確認し、最終デザインを決定した。