サイバーエージェントは、AI・CGを活用した広告効果最大化の追求に特化したクリエイティブ制作スタジオ「極(きわみ)AIお台場スタジオ」をオープンした。
本スタジオはLEDウォールや4Dスキャンなど最先端設備を備えており、AIや3DCG、バーチャルプロダクションなど最先端技術を活用した広告クリエイティブの企画・制作を行う子会社 株式会社Cyber AI Productionsとの連携のもと、スタジオのアセットおよびAIを活用して広告クリエイティブを制作する「極予測AI」を最大限活用することで、より効果的な広告クリエイティブの撮影から制作・納品まで、一気通貫で行っていく。
これにより、広告主企業に対し、高い広告効果を実現するハイクオリティなクリエイティブ制作の提供を目指す。
スタジオの特徴
LEDエリア/モーションコントロールカメラ
3台構成のLEDエリアでは、国内最大級のシリンドリカル型LEDウォール(幅15m)を設置するほか、3面構成のxRスタジオや、0.84mmピッチの高精細かつ可動式のLEDウォールを常設し、最新技術によるさまざまなバリエーションの撮影を可能にする。
LEDウォールを活用することで、ロケ地への移動時間の短縮や、天気、季節、ロケーションに限定されない撮影はもちろん、現実では表現不可能な空間もCGで自由に作りだすことができるため広告クリエイティブ表現の幅を飛躍的に拡張することができる。また、被写体とカメラの動きにあわせてCG背景やLED照明をコントロールすることができるため、臨場感あふれる動画素材の撮影を効率よく実現する。
さらに、ゴーストフレーム技術による多重収録を用いることで、In Camera VFXとクロマキー背景など、2種類以上の映像を1テイクで同時収録することが可能となる。
また、モーションコントロールカメラ(Bolt Jr+)を採用することで、仮想スタジオとの完璧な同期および圧倒的なカメラワークのシステム制御を可能にし、広告効果改善のための再撮影やクオリティアップも容易となった。
「極予測AI」を活用し広告効果を予測しながら効果の良い動画素材を大量に生成し、さらにスタジオに内包している収録室、編集室にて撮影後のナレーション収録から編集まで一気通貫した制作を実施する。
3Dスキャン/モーションキャプチャシステム
もうひとつの大きな特徴として、著名人の「分身」となる公式デジタルツインの制作用撮影を行う3Dスキャンおよびモーションキャプチャシステムが挙げられる。
同社では2021年より、著名人の写実的な公式デジタルツインを制作・キャスティングするサービス「デジタルツインレーベル」を提供しており、冨永愛さんをはじめ多数の高精細なデジタルツインを制作、さらに広告プロモーションなどへのCGキャスティングやデジタルツインを起用した企画立案などを手掛けてきた。
新スタジオでは、約180台のカメラでボディとフェイスを1度に撮影可能とする3Dスキャンシステムを搭載するほか、カメラやセンサーによって顔や身体、手の動きの特徴をとらえるモーションキャプチャシステムもスタジオ内に完備。大量の人物データと同社の技術力により、これまで以上に高いクオリティ表現を目指していく。
4Dスキャン
今回新たにPixel Light Effects社製の4Dスキャンシステムを導入し、顔から首周りの映像制作と、生成AIなどの機械学習向けに高品質なボリュメトリックキャプチャが可能となった。
同社のAI研究組織である「AI Lab」では、2022年よりNVIDIAと協業し、高品質なデジタルヒューマン開発の加速に向け、日本語発話の精度向上など日本市場ならではの研究に取り組んでいる。
今後は4Dスキャンシステムで新たに取得したデータを活用することで、さらなる生成AI技術の研究およびCG制作の効率化、映像制作技術の研究開発を進めるとともに、新たなビジネス機会の創出を目指していく。
スタジオ活用による広告効果の最大化に向けて
本スタジオはCyber AI Productionsとの連携とともに、「AI Lab」や写実的な人体表現の生成実現の研究に取り組むCG研究専門組織「デジタルヒューマン研究センター」などとも連携を図り、「極予測AI」がもつ高い効果予測AIの技術と、高性能かつ高精細な設備・技術を搭載した本スタジオのアセットを掛け合わせることで、より効果的な広告クリエイティブ生成を目指し、広告主企業の高い広告効果を追求していく。
同社は今後も、インターネット広告における新しい価値の創出とデジタル空間だからこそ作ることができる表現に挑戦するとともに、企業のマーケティング活動の拡大・ビジネス機会の創出に尽力していく。