大日本印刷(以下、DNP)は、企業などの顧客となる生活者の属性などの情報を活用し、1人ひとりに合わせた専用の動画メッセージを容易に生成・配信するパーソナライズド動画サービスを提供するなど、企業などのマーケティング活動を支援している。今回新たにIdomoo Ltd.(アイドゥム)と協業し、同社が提供する「next generation video platform」を導入して、より安全・安心な環境でパーソナライズド動画の生成・配信を行えるサービスを販売開始する。
DNPが提供している顧客コミュニケーション施策と本サービスを組み合わせ、新たなマーケティング施策を提供する。DNPは本サービスの販売で、2025年までに累計25億円の売上を目指す。
Idomoo社との協業の背景
ウェブを活用したマーケティングでは、企業などや生活者との"One to One"のコミュニケーションが注目されており、生活者個人の属性などの情報に応じて生成するパーソナライズド動画の需要が高まっている。従来、パーソナライズド動画の生成には、HTMLやJavaScriptを使ってテンプレート(基本パターン)の上に個人データ(テキスト・画像)をかぶせる「オーバーレイ技術」が使われていた。この手法は、個人データの書き換えが可能で、悪意を持って生活者のブラウザー側で編集が行われた場合など、意図しない内容に改ざんされるリスクがあった。また、動画内での個人データの配置場所が限定されるため、コンテンツ制作(クリエイティブ)の面で制約が生じていた。
こうした課題に対してDNPは今回、海外で主流となっている、個人データを直接埋め込んだ動画を生成する手法を使ったIdomoo社の「ネイティブパーソナライズド動画」を導入することで、よりセキュリティを強化し、高品質なパーソナライズド動画生成サービスを提供する。
「next generation video platform」によるパーソナライズド動画サービスの特徴
高水準のセキュリティ環境で動画を生成
Idomoo社では、個人データを動画のテンプレートにかぶせる従来の「オーバーレイ技術」ではなく、個人データを直接埋め込んだ状態で動画を生成。そのため、生成後に動画の内容を書き換えることが不可能となり、情報が改ざんされるセキュリティリスクが大きく低減される。
また、動画生成に用いる個人データには適切に暗号化処理を施し、動画生成後に即座に削除するなど、適切なデータ取り扱い方針にもとづいて高いセキュリティ環境を構築している。
動画内容の個別化・最適化
企業などの顧客1人ひとりの氏名や利用するサービスの内容などの情報を表示する動画を瞬時に生成。性別・年代・契約期間などの属性や条件に応じて、動画のシーンの選定や並び替えを自動で行うことで、数千万以上の対象者ごとに適したシナリオの動画を高速に生成・提供する。また、企業の最新情報を常に自動で動画にアップデートすることができるため、対象者の情報や視聴環境などに応じて、それらの情報をリアルタイムで反映することも可能。
また作成時、プログラミングのコード入力が不要で、動画の作成時間を短縮できることに加え、個人データの配置場所などの制限がなく、柔軟性の高いデザインが可能となる。これにより、従来のオーバーレイ技術ではできなかった導入速度と動画演出を実現する。
インタラクティブ機能を実装
動画内に、アンケートの選択肢や、個別化した製品・サービスの案内ページや購入ページ、問合せ先などにリンクするボタンなどを設置可能。顧客となる生活者自身の回答やクリックによって動画がインタラクティブに切り替わる、動画内でのアクションがほかのシステムと連動するなど、より快適な動画体験の提供と行動喚起につながるとしている。同時に、顧客のアクションを統計データとして収集し、動画設計の改善に活用可能。