住友商事、「ROBLOX」を活用しメタバースにおけるコンテンツ提供を開始

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2024/03/07 07:00

 住友商事は、コミュニケーションの場のひとつとして注目を集める米メタバースプラットフォーム「ROBLOX(ロブロックス)」を活用し、メタバースにおけるコンテンツ提供を開始した。日本のクリエイター・制作会社と連携してコンテンツを制作し、そのコンテンツ体験を通じたデジタルアイテムの購入などメタバースならではの消費の創出を目指すほか、製品・ブランドなどを世界に向けて発信したい日本企業(主にリテイル分野)などのメタバースコンテンツをプロデュースする。

 なお、本件は同社の社内起業制度「0→1チャレンジ2021(ゼロワンチャレンジ2021)」にて、新規ビジネスの優れたアイデアとして選出されたライセンスビジネス向けマッチングプラットフォームから派生した取り組み。

メタバース・ROBLOXを通じた消費体験の創出

 メタバースは、ユーザーが自身のアバターを通じて、全世界から同時に、国境や言語、物理的な制約を越えて同じ3次元の仮想空間を体験するという特徴を持ち、今後より多くの消費者がより長い時間滞在するプラットフォームとして期待されている。なかでもROBLOXは、ゲーム性というエンターテインメント体験が消費者を惹きつけ、Z世代を中心としたユーザーを抱えるメタバースで、ユーザーはゲーム要素への課金や、メタバース上で身につけるアバターアイテムなどに対する消費をおこなっている。ROBLOXの調査では、Z世代の56%が「アバターのコーディネートのほうがリアルの世界で着飾るよりも重要」と回答したというデータも出ている。

 また、企業はROBLOXのようなメタバースを活用し、自社ならではの魅力的な体験を提供することで、自社製品やブランドの認知拡大やエンゲージメント向上が可能となるため、プロモーションやマーケティング、ブランディングでのメタバースの活用に大きな期待が集まっている。

「Omochi Studio」の制作名でコンテンツをプロデュース

 住友商事は、すでに日本のクリエイター・制作会社と連携してゲームを制作し、ROBLOX上で「Omochi Studio」という制作名を用いて複数のコンテンツを公開している。2023年10月に個人クリエイターと連携してホラーゲーム「ペタペタサマ」を制作・公開。今後はこのホラー体験に紐づくデジタルアイテムの販売や、企業とのタイアップなども検討している。

 2024年3月には、キャラクタータレント事務所Simple Side Mascots(シンプルサイドマスコッツ)に所属するキャラクタータレント「あさみみちゃん」を題材としたゲームコンテンツを制作・正式リリース予定で、日本のIP・ブランドを世界に発信していく。

住友商事が取り組む意義

 住友商事は、メタバースならではの体験が消費者の行動に変容を起こし、メタバース上で新しい消費行動や産業が起きると捉えている。「ペタペタサマ」のように消費者を惹きつけるコンテンツを通じて、より多くの消費者を集め、消費者に対してメタバースならではの購買体験や教育サービスなどの新しい体験を提供し、これまで取り組んできた食品流通・小売り事業などのリアルでの価値提供に加え、黎明期のメタバース・ROBLOX でも「Enriching lives and the world」を実現する新たな価値の創出を目指す。